Howscope

LIVING好きなことや趣味に重きをおいた、こだわりの空間
2016-09-28

自分たちの、くらしをつくる。
あたらしい場所での、あたらしいくらし。

沖縄県宜野湾市在住
編集者
セソコマサユキさん

東京で、編集者として多忙な毎日をおくっていたセソコさん。取材を通して地方で暮らしている人たちと出会ったり、奥さまと自分たちがどう生活していきたいかを話し合ったりする中で、「場所を変えて、新たに自分たちの暮らしをつくる」という選択肢が出てきたそうです。

東京を離れ、沖縄で暮らすことに

――移住したきっかけは?

『自休自足』の仕事を通し、地方で自然に囲まれて楽しそうに暮らしている人たちと出会って、こういうのもあるんだなと意識するようになりました。当時は、移住先で仕事があるのか、自分に何ができるのか分からず、移住するとしてもずっと先かなと思っていたんですね。当時、仕事は楽しかったけど時間的拘束も長くて、家で過ごす時間もとれない状況。そんな生活を変えたいなと思ってはいたけれど、東京で転職するだけでは変えられる気がしなかった。妻とも相談して、それだったら場所を変えて、自分たちがどう暮らしていきたいかを実現できるようにしよう、という話になり、移住が現実味を帯びていきました。仕事もひと区切りつく時期で、妻の仕事の契約更新時期にも重なっていて。子供も欲しかったし、年齢的にも動くなら今かなという思いもあって、いろいろなタイミングが重なって移住に至りました。

――移住先を沖縄にした決め手は?

旅行で訪れたことがあって、妻とふたりとも気に入っている場所と考えると、沖縄以外にも高知や香川など、他にも候補はあったんですけど。それぞれ魅力的で、逆に決め手がなくて。なので、せっかくなら自分のルーツでもある沖縄にしよう、ということになったんです。また、観光地である沖縄は、プロモーションやパンフレット制作等、編集がからめる仕事が多い。仕事の点で、自分の経験を生かせる可能性を感じたのも、沖縄に決めた理由のひとつです。

――移住して、変わったことは何ですか?

意識的に、家のことをやる時間を取るようになりました。以前は、お金が生まれない、家事や家の修繕のような作業が後回しになっていました。でも、自分が気持ちよく暮らしていくためにすることであれば、お金を生む仕事も、家のことも、ひとしく価値があると思えるようになった。移住した時には家のことに時間をかけられるようにしたいな、と思っていたので、移住して、そういう時間を持てるようになったのがとてもよかったと思っています。

希望を満たす家が見つかる幸運

「外人住宅」との出会い

――現在の家は、どのように探しましたか?

移住して1年ほどかけて今の家をさがしました。将来週末だけのパン屋さんをできるといいなと思っていたので、お店としても使えそうな物件を希望していました。今の住まいはいわゆる「外人住宅」ですが、初めは外人住宅がむしろ嫌だったんです(笑)。外人住宅をお店にしているところが増えていたし、なんとなく敬遠してたんですね。でも、そうやって探し始めると、いい物件がなかなか無くて。場所もよくて、自分たちでいろいろ手を加えられて、個性的で、光がよく入ってきて、広々と使える空間があって……と外せない条件をあげていくと、外人住宅も選択肢に入れようということになりました。とはいえ、外人住宅は人気で空き物件が少ない。インターネットで情報をチェックしたり、外人住宅が多いエリアに出向き、自転車で空いている物件がないか見て回ったりもしました。不動産屋さんとのやり取りも続ける中で、紹介してもらえたのがこの家です。外人住宅って、強引なリフォームがされている場合も多いんですが、ここは変な手が加えられていなかったんです。わたしたちの希望の条件もクリアしていたし、ほんの少しだけど海も見えたし、入り口に赤い花が咲く木があったり、近くに川があるので涼しい風も吹いたり、まわりに緑も多くて、ふたりで話していた理想の家に近いものがありました。エリア的にも、那覇からそんなに遠くない場所だった点もよくて、ここに決めることにしました。

快適な空間は笑顔も増やす力がある

手を加え、工夫しながら住まう

――実際に住んでみて、どうですか?

外人住宅ならではの問題もあり、床がPタイル で、湿気もすごかったんですね。そこで、大工さんにお願いして床を貼ってもらいました。玄関部分にはタイルを貼ってもらって。周囲に緑が多いのはいいんですが、その分虫も多くて。家の中にも入ってくるし、当初はギラギラの蛍光灯にガタガタの網戸だったので、夜は虫が集まってきて気持ち悪かった(笑)。サッシや灯を取替えて、だいぶよくなりました。越してきた当初は、お店もやろうと考えていましたが、子供ができて状況が変わってきたので、それはやれる時期が来たら、と思っています。子供の成長や、家族の状況に応じて家を変えることに対しては柔軟です。自分たちの生活やライフステージに合っている場所であれば、ひとつの場所にこだわらない、というスタンスですかね。

手作りの下駄箱。沖縄に来てからDIYを始めたとは思えないクオリティ

――ご自身で手を加えて、工夫した箇所はありますか?

初めは窓に格子がついていたのですが、採光をよりよくするために取り外しました。台所のカウンターや、下駄箱は自作です。妻が、家の中を機能的で使いやすくするのが性格的に好きなので、家具を作る時は、希望のサイズやデザインを聞いてから、設計・制作します。他にも、ブックエンドを壁に取り付けてカッティングボードを収納したり、天井にグリーンが吊るせるようにしたり、自分たちでできる範囲で手を加えています。DIYをするようになったのは、沖縄に越してきてから。手作り感満載は嫌なので、どれもこれも自分で、と思っているわけではないですが、まだまだ作りたいものはたくさんあります。理想の家に近づくために、ゆっくりやっていきたいです。ひとつずつ、これができてまたちょっといい雰囲気になったね、使いやすくなったね、となっていくのが楽しいですね。

心地よい光が入るキッチン。ご自身で制作のカウンターは、天板だけ大工さんに作ってもらったそう

格子を取り外した窓は、視界が抜けていく感じもあって気持ちいい

ブックスタンドを利用したアイデアが光る、カッティングボードの収納

キッチンにはやさしい光がふりそそぐ

最後に、この家で一番気に入っている空間をうかがうと

「リビングですかね。家族が集うところだし」とセソコさん。そのひとことから、家族への想いがあふれ出ます。家族との時間を大切にすること。みんながいつも気持ちよく過ごせるように、自分たちの手で、住まいに少しずつ手を加えていくこと。その想いと積み重ねが、より心地いい暮らしの空間づくりへとつながっているに違いないと感じます。

骨董市で出会った木製の冷蔵庫。収納庫として使っている

気に入った物を大切に長く使っていきたいという思いで選ばれた、雰囲気のある家具や道具の数々。奥さまとふたりで、物を買う時は「とりあえずで買うのは、やめよう」と決めているそう。

関連キーワード