Howscope

LIVING好きなことや趣味に重きをおいた、こだわりの空間
2017-05-10

ヨーロッパのエッセンスとカフェのエスプリが香る空間

bloc japon
代表
山本洋史(ヤマモト ヒロシ)さん

渋谷区、神南。多くの人が行き交い、様々なジャンルのショップが建つこのエリアに美容室「bloc」はあった。エントランスの門扉をくぐり、店内へと導かれるようなアプローチを進むとそこは、一棟ぜんぶ丸ごと「bloc」という名の別世界が広がっていた。
異空間をつくりあげてきたbloc japon代表の山本洋史(ヤマモト ヒロシ)さんを訪ねた。

blocを率いる山本洋史さんとお店のこと

――山本さんのことを教えてください。美容師、ヘアメイクの他、アパレルや本も出されている山本さんですが、はじまりは美容師さんなのですか?

そうです。19で学校を卒業して美容師になりました。東京で4年、そのあと名古屋へ行きヘアメイクと並行して過ごし、都内で4年半サロンに勤め、そして自分のお店を持ちました。今46になるんですが、美容師歴は26年、クラブイベントもやったり、アパレルをやってもいますが、変わらずずっと美容師です。

――結構スタッフさんがいらっしゃいますね。

今サロンには34人、アパレルに2人、オフィスに3人といったところです。自分で言うのもなんなんですが、僕は月に700人ほどのお客様を担当しています。当然サロンの中で一番お客様を持っている。美容師としてある一定の地点までは来ていると思った時、他のこともやりたいと思うようになったんです。それがアパレルだったんです。
それと、今はスタッフを売り出すことが大切だと思っています。人数が増え、自分だけではなく、モデル事務所のように今いるスタッフをどうやって世の中へ出していくかを考えていますね。引き継がれるというか、そういうことを意識するようになりましたね。

――アパレル事業を展開されたきっかけなどあったのですか?

アパレルやりたい!と狙っていたわけではなくて(笑)、新しい髪型を提案する際などに、濡れた髪の状態で衣装を着用することが多く、借りたり、買い取るにも気をつかい大変だった。その時に自分たちでつくってみようと思ったのが始まりです。ライダースを1点だけつくったり、ヘアアクセサリーなどをつくっていたら、問い合わせが来るようになり、それじゃあやってみようかとやり始め、そうして形ができて、アパレル部門が派生したんです。

一棟ぜんぶを使った空間づくり

――空間のことを聞かせてください。ここは一棟丸ごとがお店なんですね?

そうなんです。最初はただの、いわゆる普通の雑居ビルだったのですが、手を加えてこのようなお店にしました。はじめは2Fまでを使用していたのですが、3Fが空いたタイミングで側にあった他の店舗もこちら集約して一カ所にまとめ、今のような一棟ぜんぶになりました。

――普通の雑居ビル、という状態で、今のような存在感のあるお店にするのは、かなりイメージの乖離があると思うのですが、当初物件を見て、どうしてここにしようと決められたのですか?

確かに最初見たときはただの雑居ビルだったのですが、でも空っぽにしたらどうにかなるのかなとは思っていました。昔代官山などにあった数々のギャラリーのような空間をまずつくり、そこからプラスしていけばいいかなと。今からは想像もできないかもしれないですが、和室の部屋もあって、コンクリートが昔の手法なのか、木とセメントを混ぜたものが塗り込んであって、湿気をコントロールする昔の知恵なんですかね?今はその造形がなんか好きで、むき出しで使っています。 基本的には、広さがあって光が入ればなんとかなるかなという思いがありました。
ただ、アプローチは見たときから好きだったんです。渋谷の街からぐぐっと違う空間に導いてくれそうな感じにワクワクしたのを覚えています。

――渋谷という土地にはこだわりがあったのでしょうか?

なんとなくなのですが、渋谷というのは僕の中で昔からカルチャーがしっかりしているイメージがあるんです。ギャル、ヒップホップにハイファッション、セレブなどといった、銀座にも青山にもないカルチャーが息づいている。よく「渋谷は若い」と言われることもあるんですが、実は大人もいっぱいいて、きちんとカルチャーが成立していると思っているんです。渋谷が好きなんですよね(笑)。

――部屋ごとに、スタイルといいますか、イメージが違いますね!コンセプトなどはあるのですか?

自分の中でこういう形がいいのでは?と模索して、やっているうちに現状に至る。という感じなのですが(笑)。
元々、美容室というと白い空間で、窓が大きく外から見えて・・・というのにちょっと違和感があったんですね、
ヨーロッパの伝統的なものが好きで、それをベースにした世界観を中心に置き、街角を歩いていて「ここはなんか違うな」と思われる、そんな場所をどこかで意識しながら少しずつ変えていきました。あとは、カフェのエッセンスが好きです。今のスタバとかではなくて、「カフェ・アプレミディ」の走りの頃や、「ユソーシ」、「カフェミル」などの時代のカフェが好きなんです。お店に特徴があって、なぜか落ち着くような、そんな場所を目指しています。

――特に好きな場所はあるのですか?

毎日いるので、日々変わるのですが(笑)、エントランスにあるシャンデリアはなかなかストーリーがあって好きです。ロマンチックなものが多い中でどこか無骨さがあって。伝統がある中で、なんかどこか遊びあるような時代の、なにかムーブメントを起こそうとした時代のものにひかれます。あとは付加価値情報にうれしくなる。鹿の角を使った方は150年くらい前のもので、今だと日本には入ってこないとか、そういうのを聞くとニヤリとしてしまいますよね。
あとは、シャンプー台の部屋も好きです。落ち着く感じがします。座ると目が遊びたくなる感覚わかりますか?正面の壁に様々な額縁をサイズ違いで配置して、座っている間の目を楽しませるような感じにしています。
他にも光の入り方がちょうどいい部屋なども好きです。

――これから、ここはさらに変わっていったりするのですか?

どうしても飽きてしまうので、1年半に一カ所くらいは変えるようにしています。今はMAX濃い状態(笑)。飽きてきて、足して、買い換えてを繰り返しているとどうしても濃くなってしまう。これからはさっぱりした中にポンっとグッズやアーティストの作品があるような空間に移行してもいいかとも思っているんです。
その時々のコンセプト、時代背景で空間づくりをするのもいいかと思っています。幸い部屋がたくさんあるので、ひと部屋だけ時代感を切り取った部屋、ひと部屋はクラシックな感じとかできるので、やっていきます。

――最後に、空間づくりで意識されていることなどありましたら教えてください。

定番の形があって、そこにちょっとなかったものを加える。形はそのままで要素を加える。自然になじんでいくようで、面白みがないなと感じたところや、このくらいズレていたらいいかなとか、そういうことだと思います。
めちゃくちゃ斬新なものというよりも、あるものの組み合わせの妙だと思うんです。
誰でも知っているものをいかに、どうやって使うか。
それがまた面白いのだと思います。これからも変わっていくと思うので楽しみにしていてください(笑)。

bloc
東京都渋谷区神南1-5-19 ハレ神南1-3F
TEL:03-5784-3227
http://www.bloc.co.jp

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