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2017-02-07

キニナル、あの人。 vol.1「家族の一員である家具」
家具リペア職人 奥原 健太郎さん 前編

SAHRE on

住にまつわるの「ひととなり」に触れる連載。

第1回は、古きよきものを愛する、の奥原さんを訪ねました。

住まいにおいて、建物以外に欠かせない存在がです。価格を優先したもある中で、質のよいしつつ、長く愛用するという選択があります。

の方は、どういった思いで、に向き合っているのでしょうか?
奥原さんいわく、は“家族の一員”――

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――同じに携わるでも、では、どんな違いがありますか?

は、決まった図面に基づいて、全く同じ製品に仕上げます。
それに対しは、ひとつひとつ修理箇所の違う製品と向き合い、
の特性を理解した上で仕上げていく仕事です。

――つまり、全てが初対面というわけですね

仮に同じ椅子が4脚ある場合でも、傷み具合は4脚とも全て違う。
決まったものがないんです。
に向き合うという意味ではと同じですが、全てが初対面というのは一番の違いだと思います。

――使う人によって傷む箇所も違いますよね

使う人によって傷み具合も違うからこそ、手がける難しさがありますが、そこが仕事の面白さでもあります。
技術の幅が広くないと対応できない。
高い専門性が求められますが、やりがいもありますね。

――では、業界への入口も違うのですか?

元々をしていて、の技に感動し、惹かれてきた人もいれば、専門の学校に通っていたり、職業開発センターの木工課程を勉強してきたりと様々です。女性のも増えていますね。
私の場合は、最初に勤めたホテルで木製品を中心とした修繕に携わる中で、興味を持ったのがきっかけです。
それから、オーダー製作の経験を積み、この道に入りました。

――HowScopeはに関するサイトですが、考え方に共感などありますか?

この仕事は、修理というよりもに近いのかなと思います。
今まで使っていたものを再生すること、
今までのものを変えて、新しい生活空間を提供するという意味では、と同じことなのだと思います。

――考え方の芯は同じですね

昔から日本人は創意工夫が得意で、日本には「もったいない」という独自の文化もあります。
「いいものを長く使う」ということは、日本人の感性にあっている。
リユースで下取りするものの中には、20〜30年使っていたものもあるのですが、やはり、いいものを大切に使ってきたんだなと実感します。

――100円均一の文具や、ファストファッションもそうですが、最近は以前にもまして使い捨ての時代になっている印象はありますね

結果的には、ファストファッションのような手頃なものを何度も買い換えるよりも、いいものを長く使った方がトータルコストとしても安いと思うんです。
そのほうが、合理的で賢いお買い物ではないでしょうか。

――しかし、当然そこにはメンテナンスが必要になると

は、人間で言えば「お医者さん」のような存在だなと思うんです。
運ばれてきたをひとつひとつ診断して、適切な処置を施して、元気になってまた活躍してもらう。

――人間と同じで、健康でいることが長生きになると

インテリアは、家族と同じだけの時間を一緒に過ごしています。
そう考えると、家族の一員なんだと思うんですね。
だから、皆さんそれぞれにへの思い入れがある。

――ただ、修理箇所が違うというだけでなく、思い入れもひとつひとつ違うと

お客さまの気持ちがよく伝わってきますし、はそのお気持ちにお応えできることに、皆喜びを感じてやっています。

――それぞれの所有者たちの思いが、ここには集っているわけですね

ですから責任重大ですし、意欲も湧きますね。

自らの仕事を、にとっての「お医者さん」だと語ってくれた奥原さん。そこには良いものを長く愛用して欲しいという、を愛する気持ちが詰まったインタビューとなりました。次回は、日本と欧米のに対する向き合い方の違い、そして、に対する情熱を伺っていきます。

フィール

IDC工房 奥原健太郎
都内のホテルへ入社。調理や、木製品を中心としたホテル内の修繕・装飾製作に携わる。その中で木製に興味を持ち、オーダー製作所へ入社。
6年間、塗装業務を中心に木製のノウハウを学び、2015年5月大塚入社。

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