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HOW TO理想の暮らしを手に入れるための、学び
2017-05-12

「タイニーハウス」と「リノベ実例」に学ぶ
―身の丈サイズのシンプルな暮らし―

昨今、アメリカ西海岸で広がりを見せる、タイニーハウス・ムーブメント。住まいを"身の丈のサイズ"にスケールダウンすることで、豊かな生活を得るという考え方は、既存住宅に変更や改修を加えて単純化し、そこへ住み手にとって必要なものだけを取り入れていくリノベーションと重なるところがあります。ここでは、リノベで理想の暮らしを手に入れた3つのケースから、シンプルで豊かな暮らしのノウハウに迫ります。

Case#1. シンプルに徹した部屋に、必要なモノだけ

郊外の小高い丘の斜面に立つ、眺望抜群のマンションの一室を購入したTさんご夫婦。インテリアがご趣味で、以前よりヴィンテージ家具を集めていたご主人が新居に望んだことは、「家具を部屋のアイコン的存在として取り入れた暮らし」でした。しかし既存のリビングには、ゆったりと家具を置いて過ごすための十分なスペースがありませんでした。

そこで、個室は寝室のみとし、リビングダイニングと土間スペースを広く取る間取りに変更。リビングに隣接していた和室をなくしたことで、二面の窓に囲まれた明るく開放的なLDKが生まれました。内装には派手な装飾はNG。壁や天井の大部分は、むきだしにした躯体に白の塗装を施す仕上げで統一し、木目のキッチンカウンターやパーケットフローリングも、主張せずに空間に溶け込むようなイメージに。あくまで家具を置くためのシンプルなハコとしてのデザインに徹しました。

新しくなった部屋の顔は、Tさんが「新居で絶対に使おう」と決めていた英国・ヴィツゥ社製のシステムシェルフ。シンプルで機能的、しかも時代を超えて長く愛されるものづくりをモットーにした家具ブランドのもの。

Tさんはこれをリビングとダイニングの間を仕切るように設置。部屋のヌケ感の良さを活かすゾーニングを行いました。工事が必要な壁や建具と比べて、家具は状況に応じて発展や変更をすることも出来る柔軟な存在。シンプルに徹した部屋に厳選の家具をプラスすることが、Tさんのライフスタイルの要になっています。

CASE#2. それぞれの大きさ、それぞれの想い

こちらは、設備や室内の壁をすべて取り払い、一度何もない” ハコ”にしてから、必要な要素だけを取り入れていったTさんご夫婦の例。元々は奥様のお祖父様から受け継いだマンション一階にあるオーナーズ仕様の住宅で、隣接する賃貸用住居と合体させた一世帯仕様に造り替えること、老朽化の進んだ内装や設備をご夫婦の理想の仕様に造り替えること、この二つが大きな目的でした。

生活の軸を置くLDKは、間取りの大変更で「人が集ってホームパーティーを楽しくできる空間」という夢を叶える広さに。お料理好きのご夫婦のために、その中心に幅広のアイランドキッチンとオリジナルのダイニングセットが備えられました。また、ご夫婦の沢山ある蔵書を収納できる壁面本棚をタモ集成材で造作。本棚には通用開口を設け、奥には大容量のパントリースペースが配置されています。

そうして新しく取り入れられたもの以外に、Tさんのお住まいに欠かせなかったものがもうひとつ。それが、ご主人のご実家の壁に使用されていた、味わいのある青森ヒバの木材です。捨てられそうになっていたところを、建材としてワークスペースの腰壁やパントリー、廊下の天井などに再使用したのです。"身の丈"といっても、そのサイズも必要なモノも人それぞれ。T邸では、広さや新しさだけではなく、想いを受け継ぐ素材と空間が組み合わさった住まいとなりました。

Case#3. 変えるばかりがリノベじゃない

リノベーションは、住空間を"劇的"に変えるばかりではありません。こちらのお住いはむしろ、すでに必要なものだけに厳選されていた身の丈の暮らしを大切にしていくために、部屋の"ズレ"を修正した例です。

購入後から9年間住んだマンション。古くなった設備をただ交換するためのリフォームを検討していたU様の脳裏に浮かんだのは、これまでこだわって作り上げてきた生活空間に対する素朴な疑問でした。
「自分に必要な家具やインテリアだけ取り入れ、自然と収まるべき位置が決まった。でも、モノは部屋に、部屋はわたしにフィットしているだろうか?」

そこで、間取りには大きな変更を加えない方向で、Uさん本人もデザインや仕様決めに積極的に参加しながらリノベーションを実行。

キッチンをオープン式に変更し、家具や生活用品と部屋の調和を狙って各部内装が見直されました。リノベーション後のU邸には、ほぼすべての家具やインテリアが元の場所に、しかし以前よりもずっと部屋に馴染んで収められています。「Case#1」でお見せしたT邸とは逆に、すぐに変えることができずに取り残されていた部屋を、現在のライフスタイルに合わせたのです。

今回取り上げたいずれの例にも共通しているのは、タイニーハウスと同様に、「住み手が積極的に住まいづくりに参加し、自らの価値観に見合った暮らしを組み立てている」という点。タイニーハウス自体はすぐに実践できるような暮らし方ではありませんが、「シンプルな暮らし」という考え方や、個々のスケール感で造られた小さな家には、わたしたちの住まいづくりに繋がる大きなヒントが隠されているはずです。

<記事提供・空間社>

下北沢にタイニーハウスがやってくる!

5月19日(金)に開催される『simplife』上映会の会場には、現在全国キャラバン中のタイニーハウスも来場。会期中、どなたでも自由に中を見ることができます。上映時間まで製作者の竹内友一さんが、タイニーハウスをご案内します。(タイニーハウス見学はチケット購入不要)

「身の丈の暮らし」をテーマにしたロードムービー『simplife』は、アメリカ西海岸で広がりを見せる「タイニーハウス・ムーブメント」のパイオニアたちを訪ね、小さな暮らしや多様なライフスタイル、コミュニティとの共生など、新しい幸せのカタチをさがした作品です。

上映後は、東京R不動産ディレクターの林さんと、全国各地でツリーハウスやタイニーハウスを手がけている竹内さんによるトークセッションも行われます。

映画『simplife』
開催日: 2017年5月19日(金)
会場:下北沢ケージ(東京都世田谷区北沢2-6-2 京王井の頭線高架下)
チケット: スクリーンA ¥2,000(ワンドリンク込/自由席)
スクリーンB ¥1,500(要ワンドリンク+ワンフードのオーダー/テーブル席)
チケット購入(Peatix)
http://simplife.peatix.com

主催: (株)空間社
PRパートナー: HowScope

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