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2017-10-10

会津若松・湯野上温泉駅に50mアートが出現!
ペインターMHAK インタビュー後編

SAHRE on

MHAK(マーク)
1981年會津若松生まれ。ペインター。デザイナーズ家具や内装、様々な空間に影響を受けたことから絵画をインテリアの一部として捉え、「生活空間との共存」をテーマに内装壁画をメインとした制作活動を行う。独特なスタイルで個人邸やホテルなど数々の内装壁画を手掛ける一方、生活空間と共存するパネル作品の制作活動も行い、これまでにアメリカ、アルゼンチン、オーストラリア、ミラノ、北京で作品を発表。故郷の伝統工芸や観光地とのコラボレーション、クリエイティブ集団『81BASTARDS』の一員などその活動は多岐に渡り、独特な世界観を拡げ続けている。

ソロでのペインター活動に加え、クリエイター集団「81 BASTARDS(エイティーワン バスターズ)」のメンバーとしても活動するMHAK氏。30歳を過ぎてからアート活動一本で生活していけるようになったという彼は、現在36歳。3年ほど前から、仕事よりもサーフィンやスノーボードなどの趣味に使う時間を大切にしている。
さらに、会津の伝統工芸品とのコラボレーションにも精力的に取り組む。これは会津若松出身の彼が抱く、地元愛に他ならない。自身が思う「カッコいい生き方」を貫くMHAK氏が、未来に描くビジョンとは?

頑固一徹の職人を口説き、伝統に新しい命を吹き込む


Collaboration / RUTSUBO x 馬場商店 “SUSHI YUNOMI | 湯呑” / 2017

――会津若松で育ったからこそ、生まれた感性はありますか?

感性というより人間性において影響を受けていますね。会津の人たちは、ものすごく義理人情に厚いんですよ。一度心を開いた相手のことは一生信じるみたいな。僕も人付き合いにおいては、義理を通すようにしています。

――MHAKさんは、会津若松の伝統工芸品や観光地とのコラボレーションを積極的に行っているそうですね?

東日本大震災を機に、故郷・会津若松とのコラボレーション活動に注力しています。なかでも思い入れが強い作品は、湯野上温泉駅のプラットフォームに描いた全長50mのアートです。


WALL PAINT / Yunokami Onsen Station(湯野上温泉駅), AIZU /2014

会津出身の作家を使いたいと考えた会津鉄道さんと、湯野上温泉観光協会が、会津出身の先輩作家さんは、他にもたくさんいるのに、僕を選んでくれたことがすごく嬉しかった。線路に降りて描かなきゃいけないので、前後に駅員さん2人についていてもらって、電車が来たらホームに上がって、通り過ぎたら線路に降りて、また描いてを繰り返して。春夏秋冬をイメージして4種類の色の展開に仕上げました。

――バックの緑と絶妙に調和していますね。こういった地元に根付いた活動を展開されているのは、なぜですか?

伝統工芸とか田舎の観光地って廃れてしまっていて、跡継ぎの職人さんがいなかったり、どんどん店が潰れていったり、それってすごく悲しいことだなと思うからです。
廃れてしまった理由の一つに昔からの伝統を守りすぎているという事があると思っています。僕たちのような人間が現代版に昇華させるというちょっとした手助けが出来れば、未来は変わってくると思います。でも、昔ながらの職人さんって、変化を加えることをプライドが許さない。そこをいかに切り崩すかがポイントだと思います。


Collaboration / RUTSUBO x 馬場商店 “SOBA CHOCO” / 2015

仕事を純粋に楽しむために結成した「81 BASTARDS」

――MHAKさんはソロとしての活動以外に、クリエイティブ集団「81 BASTARDS」の一員でもあるんですよね。

2013年の秋にYOSHI47と僕の2人から始まって、今では10名になりました。チーム名の“81”には、1981年生まれ、そして日本の国番号「81」という意味も含まれています。このグループの活動は、仕事をより楽しむために始めました。僕らはみんな35を過ぎたおじさんですが、修学旅行のノリで海外に遊びに行くんです。もちろんメインは仕事ですけどね。

――個人のスタンスとチームでのスタンスは、どう切り分けているんですか?

基本的に全員、個人の仕事が優先です。そのうえで、81 BASTARDSは楽しむことに重きを置いています。それなりの経験者が集まってるチームなので自由度も含めた上で仕事のオファーもいただけています。

――81 BASTARDSの活動で、代表的な作品を見せていただけますか?

これは、ロスで展示会をさせてもらったときの作品です。

――各々のメンバーの作風が織り混ざっているんですね。これは、どなたがデザインを考えるんですか?

その時々ですね。メンバー同士で意見を言い合うことも多いですよ。個人としてじゃなく、チームとしてよりステップアップするためにどうするべきなのかを考えながら、ディスカッションしています。そのなかで個人の活動のヒントをもらえることもあって、いい刺激になっています。

ドットやストライプのような、当たり前の選択肢をつくりたい

――個人活動に加えグループでの活動と、かなりお忙しいと思いますが、MHAKさんは今、どんなライフスタイルを送られているんですか?

3年ほど前から自分が好きなことを優先にするライフスタイルに変えました。サーフィン、スノーボード、スケートボードと趣味を一番に楽しみ、仕事は二の次ぐらいの感じで。そうすることで日々の充実感が増したんです。
アメリカ、とくにカリフォルニアでは、そういうライフスタイルが浸透しているじゃないですか。現地に暮らす作家たちを見ていても、絵も描くけど、それ以上に趣味や自分自身の生き方を大事にしている。僕もそうやって自分自身に正直な生き方を中心にしてからは、生活が楽しくなりました。


Collaboration / RUTSUBO ” SURF MINI CRUISER DECK” / 2017

――MHAKさんの今後の展望を聞かせてください。

僕が設定しているゴールは、自分が生み出したパターンが、ドットやストライプのように、誰もが当たり前に使えるようになることです。ドットやストライプって誰がつくったかなんて知られていないけど、誰もが使うじゃないですか。そんな風に自分のパターンが、ありきたりな模様として成り立っている状態にしたい。
僕の名前が世間に知られなくてもいい。世の中にパターンの選択肢が一つ増えてくれれば本望です。

(取材・文 小林香織)

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