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2017-06-12

鉄が生み出す新たなるライフスタイル。溶接がつなぐ人と思い

SAHRE on

スター電器製造株式会社
代表取締役社長
鈴木 穰(すずき・じょう)

鉄の溶接を体験できるワークショップ「Fe★NEEDS(フェニーズ)」が、東京・中目黒駅前の「NAKAMEGURO_Gallery_Street@中目黒高架下」にオープン。同店を手がけるのは、溶接機械の製造・販売を手がけるスター電器製造株式会社。新たなるライフスタイルへの架け橋になりたいと語る、同社の代表取締役社長・鈴木氏の人となりに迫った。

自分の仕事を、いかに楽しくするか

――こちらのワークショップは、同社では神奈川県・鎌倉市に続いて2店舗目だそうですね。なぜ中目黒の地を選ばれたのでしょうか?

鎌倉に最初のワークショップを出した後、いつかは都内に出店したいと思っていたんです。ただ、渋谷や新宿、六本木といった街は違うと思っていたんです。
この高架下のエリアの話を知ったときに、目黒という場所を色々と調べてみると、鉄工所や金属加工で賑わっていた地域だということがわかったんです。運命的なものを感じて、ここに出店することにしました。

――そもそもワークショップをはじめられた理由は?

弊社は、父がはじめた会社で現在創業57年目です。父の体調不良などもあり、学校を出てすぐに入社したのですが、機械製造の仕事は地味な世界。そのため、入社してすぐの頃は、周りの人や会社がなんだかうらやましく思えたんです。隣の芝生が青く見えるというやつですね。
だけど気づいたんです。結局、自分の仕事が楽しくなるかどうかは、自分自身だなと。そんな風にただ羨ましく思っているだけでは駄目だと思うようになりました。

――その思いがワークショップを開くきっかけに?

営業で、ホームセンターさんにうちの機械を置いてもらう際に、溶接機のことがよくわからないバイヤーさんだと、価値が分からないままに、値段やカタログ上のスペックだけで、比較されることが多かったんです。とはいえ、いくら良いと口で言っても、知ってもらわなければ意味がない。そう考えた時に、値段やスペックだけじゃない価値を、直接発信していこうと思いワークショップを開くことにしたんです。

――まずは、触れてみてもらうことの大切さということですね。

鉄に対してのイメージも、木材に比べると難しいと思っている人は少なくありません。溶接は、高度な技術が必要で、敷居が高いと思っている人に、いかに本当は敷居が低いんだと知ってもらうかとなると、まずは実際に体験してもらうしかないんです。そういった取り組みを僕らがやっていかないと、いくら口で言っても広がらないですからね。

鉄そのものの良さを伝えていきたい

――こちらの工房にあるインテリアも、このワークショップで作られているものだそうですね。このスケボーもおもしろいですね。

こんなことも出来るんだというのを知ってもらいたいと、ワークショップのスタッフが手が空いた時に色々と作ってくれています。実際に、お店をやるとあれが必要とか、これが必要ということがありますが、スタッフはすぐにそれを鉄で作ってくれるんです。そういうところでも、鉄が加工しやすいというのを再認識しますね。

――鉄は、錆びて朽ちるイメージがありますが、最近は色々な素材があるそうですね。

例えば、コールテン鋼という素材があります。一般の鋼材に比べると割高ですが、雨風で表面は錆びても、中は永遠に錆びないというものです。風合いを出しながら、朽ちさせたくないといったことができます。

――面白いですね!錆びの風合いを楽しむというのは、インテリアやエクステリアの世界で、ここ数年密かなブームになってきていますよね。

昔は、錆は隠すものでした。今のように「錆を敢えて見せる」という発想があまりなかったからです。でも、ここ数年は、その風合いが良いとされてきて、敢えて見せたいという要望は増えています。さらに言えば、溶接した部分を敢えてみせたいという声もあって、鉄の楽しみ方が、だいぶ変わってきたなと感じます。

――鉄の良さを知ってもらいたいと願っていた鈴木さんにとっては、嬉しい声ですよね。

自分自身が鉄好きなので、その良さを知ってもらえた時は嬉しいですね。溶接の機械販売が本業というのもありますが、それを抜きにしても溶接の楽しさを知ってもらえて、家庭でDIYしてもらえたら嬉しいですよね。例えば、うちの製品では、100Vの家庭用コンセントで使えて、ガスもいらないノンガスタイプもあるので、本当にスペースさえあれば特殊な工事をしなくても、すぐ使えるんです。

鉄がつなぐ、新しいライフスタイル

――鉄が加工しやすいというのは、私も今回の取材で初めて知りました。

イメージですよね。重たい、扱いづらい、専門知識がいると、木材と比べると本当にそう思われている方は少なくないです。だけど、それは単に触れる機会がなかっただけだと思います。

――生活の中に、すっと鉄が溶け込むと、また雰囲気が変わりますよね。

鉄は、他の素材を引き立てるというのがありますが、生活そのものを引き立てる存在だと思っています。自分たちで作った鉄の製品を、時を経て風合いを楽しみながら住空間に取り入れることは、ライフスタイルそのものを見直していくきっかけになると思います。

――溶接がつなぐ、鉄と新しいライフスタイルですね。

これまで体験したことがない人は、まずは触れてもらえれば、鉄そのものの魅力に気づいてもらえると思っています。まずは、このワークショップに来てもらって、それを体感してもらえると嬉しいです。

まとめ

かつては、隣の芝生が青いと羨む日々だったと語る鈴木さん。ただ待つのではなく、自ら発信することで、新たなる道を切り開いてきた彼の、さらなる挑戦が、ここ中目黒で産声をあげた。溶接が鉄をつなげるように、人と人をつなげる存在になっていくこと。その思いが、さらなる笑顔を生み出している。

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