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2017-05-03

“不完全“が心地良い。obento artistの不思議な住まい。

SAHRE on



obento artist
清水 洋子(シミズ ヨウコ)さん

ブランドのPRとして長年ファッション業界で活躍した後、料理好きが高じてお弁当のケータリングサービスを始めた、否、「obento artist」へと転身した清水さん。「キッチンが大きいこと」は職業柄外せないとして、一見統一感のないように見える随所のこだわりが、居心地の良い不思議な空間を生み出していました。

――生活の中心が“料理”ということは、やはりキッチンの広さや設備が家を選ぶ際の判断基準になるんですか?

そうですね。ここはキッチンが広いし、オーブンが大きいのもよくて。あと元々外国人の方の家だったので、雰囲気がどことなくカントリー調なんです。そこも気に入りました。普段から物件を見るのがすごい好きで常に探していたんですけど、この家と出会うまでに2、3年かかりました。ちなみに前住んでた家はここから200mくらいのところ(笑)。

――それだけ時間をかけた末の引っ越しということは、かなり気に入られたんですね。

外国人の方作ったからか、かなり不思議な作りをしているんです。2階には子供部屋と寝室があるんですけど、後者は寝室なのにウォークインクローゼットみたいな感じでランドリールームがあって、さらに隠し階段があって屋根裏部屋に上がれるんです。しかもそこは隣の子供部屋のロフトとも繋がっていて、ちょっと秘密基地のような感じ。私たちが入居した時は家の壁は全面白に塗られていたものの、子供部屋の壁は黄色だったようなんです。黄色の子供部屋に住みたいと思ってたから、「塗り直すなよ!」って思ったくらい。ありきたりなマンションの間取りがすごい苦手だから。こういう方が少し楽しそうじゃないですか?(笑)。

――ということは、このリビングの壁も入居後に塗られたんですよね?

はい、自分で塗りました。引っ越す度に塗ってるから、このくらいなら半日あれば一人で塗れるようになっちゃって。前の家はピンクベージュの壁にピンクベージュの絨毯だったんです。飼っているペロ(ウサギ)を室内で放した時に、「ペロが見えない、ペロを探せー!」というのがやりたくて、ペロ色にしてみた。今考えると結構キテますけど(笑)。だから今回はもう少し大人っぽくしようと思ってパープルにしてみました。洞窟の中にいるみたいで落ち着くので、この色にしてよかったと思っています。

――照明が印象的ですね。インテリアへのこだわりも教えてください。

セルジュ・ムーユとルイスポールセンの照明を使っています。でもルイスの方は、天井が高い家じゃないと適さなかったみたいで、取り付けてみたら光が真下にしか届かないからあまり明るくないし、デザインのグラデーションの良さもこの部屋だと全く活かされていないっていう…。天井の塗り残しは、当初は元々あったライトを外した際にすべて塗ってしまおうと思っていたんですけど、不完全な感じが逆にいいかもと思ってそのままにしました。

テーブルは木材を中目黒のGALLUPで購入して自作しました。暗いからあまり目立たないですけど、よく見ると結構雑です(笑)。合わせているカッシーナのイスは知人から譲り受けたもの。私のところに来て6年目なのでボロボロですけど、時間が経つほどに愛着が湧いてきますね。あとベンチは、ピートヘインイークのものを使っています。食器もこのブランドのものを一番使っていて、使いやすいし、かっこつけてる感じがしないところが好きなんです。

植物も好きで、季節や気分に合わせて色々と生けてますね。ロジという表参道のお店で買うことが多くて、ソファの横にあるドライツリーもそこで買いました。

――お仕事にも通じるキッチン周りについても教えてください。料理道具にはどんなこだわりがありますか?

ケータリングのお弁当を作るときは別の場所にあるアトリエで作業をするので、ここでは家族のご飯を作るのが主。撮影用のプロップくらいなら作っちゃうこともありますけど。道具については、食卓がおいしく見えるようにちょっとした小道具を集めがちなんです。トングとかスプーンとか。味はもちろんだけど、何より楽しく食べたいから、おもしろい道具を探しに骨董市とか近くで開催されるボロ市にも探しに行きますね。いま上町に住んでいるのも、工芸喜頓のような有名な食器屋があるのも大きいかも。

――素敵なインテリアが多いですけど、先程この家のお気に入りポイントにも挙げていた「カントリー調」という感じではないですね…。

そうなんです。でも、好きだって思う物が集まっている空間が好きなんです。テイストや○○風とまとめるのではなく、バラバラでいい。それが一番住んでいて幸せじゃないですか?調理器具にしてもインテリアにしても、欲しい物の中には高い物もあるけど、マックのハッピーセットについてくるおもちゃみたいな物も好きなんですよ。おしゃれでいたいっていう意識はあまりないですね。だからこんなおもしろい家になっているんだと思います。

Photograph:Mitsugu Uehara


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