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2018-01-23

大道芸で貯めた30万でアジア放浪の旅へ。
松島駿毅氏のライフストーリー後編

SAHRE on

松島駿毅(まつしま しゅんき)
1993年福岡県生まれ。2016年1月、フィリピン・セブ島に移住。同年4月、日本文化が体感できる「Kawaii CAFÉ」をフィリピン・セブ島にオープン。セブ島で唯一、浴衣が着られるカフェとして注目を浴び、連日多くの若いフィリピン人が訪れる。2018年以降、セブ市内でのカフェの移転及び、浴衣やコスプレ衣装での出張撮影サービスを本格化させる予定。

昔から旅人に憧れていたという松島さんは留学で訪れたセブ島に惚れ込み、大学を休学し大道芸で資金を貯め、セブ島に移住。さらに、アジア放浪の旅へ出発する。その後、日本に戻り大学を卒業したものの、セブが忘れられず移住を決意。感情を道標に自由に生きる松島さんが選んだ道は、活気あふれる刺激的な国・フィリピンで新規事業を始めることだった。

――初めてセブ島を訪れたのは、いつでしたか?

大学2年生のときに、1ヶ月の短期留学プログラムに参加したことがキッカケでした。格安で海外留学ができるということで「おもしろそう!」と参加したら、セブ島に暮らす人々の熱気や街の空気感に魅了されてしまいました。日本に帰ってから、セブがやたらと恋しくて、「戻りたいな」と思ったんですよね。

――それで大学を休学してまで、セブに移住したと。

1年間休学し、1カ月で資金を貯めてセブへ来ました。現地で語学学校のインターンを5カ月やって、その後は4カ月ほど東南アジアを放浪したのです。昔からずっと旅人に憧れていて、自由に生きる彼らが僕のロマンだったんです(笑)。


セブ島・コロンストリートにて

――移住と旅の資金は大道芸で貯めたとのことですが、そこまで稼げるものなのですか?

最初は100円均一のお店で豚の貯金箱を買って、路上で募金活動をしていたんです。「僕は旅人になるのが夢で、その夢を叶えるために協力してください!」って。今考えると、ほんとにアホだなって思いますが(笑)。1日中募金活動して集まったのは、わずか500円。これじゃあ1カ月で目標の30万には到底到達しないってショボくれていて、たまたま隣に座っていた知らない女の子に「どうしたらお金が貯まるんだろう?」って悩み相談して(笑)。
そうしたら、その女の子が「バルーンアートを始めてみたら?」って。「それだ!」ってピンときて、翌日から1週間引きこもってひたすらバルーンアートの練習に明け暮れました。彼女は大道芸サークルの女の子だったんですけど、きっと僕がその言葉を本気にするなんて思わなかったでしょうね(笑)。

――そのバルーンアートが功を奏したのですね。

はい、バンダナを巻いてベストを着てプロっぽい格好をして、音楽をかけてノリノリでバルーンアートを作っていたら、人がどんどん集まってきて。心のなかで思わずガッツポーズしました(笑)。結果、2週間で目標の30万円の資金集めを達成することができたんです。

――すごい!なんだか夢がある話ですね(笑)。東南アジアの旅では、どんな発見や出会いがありましたか?

色々な国を訪れましたが、一番印象に残っているのがミャンマーです。なんだか江戸時代の日本みたいな、なつかしい雰囲気で落ち着くんですよね。あと、ミャンマーでは男性も女性も「ロンジー」と呼ばれるロングスカートのような民族衣装を着て、顔に「タナカ」っていう名前の色付きの日焼け止めを塗るんですよ。その姿がめちゃくちゃかわいくて。
ミャンマーではある現地人の女性に惚れて、猛烈にアプローチしましたが、「あんたは髪の毛が長いから嫌」って言われて(笑)。当時は長髪にして後ろで1つにしばる、旅人っぽいヘアスタイルをしていたんです。翌日、髪の毛をバッサリ切って、現地人と同じようにロンジーを巻いて顔にタナカを塗って、もう一度彼女に会いに行きましたが、結局その恋は実らないまま終わりましたね(笑)。

――積極的ですね。国境の垣根を軽々飛び越えていく感じ。そんな松島さんが、セブ島で「Kawaii CAFE」をオープンするに至った経緯が気になります。

キッカケは、セブ島に住む現地人の友人に「日本の浴衣を着たいけど、セブ島では買える場所がない」と相談されたことでした。セブ島では5年ほど前から盆踊り大会が開催されていて、彼女は浴衣を着て大会に参加したかった。でもセブでは浴衣が手に入らなかったので、日本人である僕にメッセージを送ってきたのです。

ちょうど僕はそのとき、東南アジアの旅を終えて日本で大学生活を送っていましたが、彼女を喜ばせようと思ってサプライズで浴衣を買って、現地に持って行ったんです。そうしたら彼女は心から喜んで、その浴衣を着て嬉しそうに盆踊りに参加していました。そのときに「すごくいいな」って思って、浴衣が着られる飲食店の計画を練り始めました。僕にとって、適度なゆるさと活気があるセブが肌に合っている気がしていたので。

その後、ありがたいことに事業に出資してくれる協力者が見つかって、大学卒業後にセブに移り、出店する場所を見つけて3カ月で準備して、トントン拍子でカフェのオープンにいたりました。フィリピン人をターゲットにしているため、外国人があまり来ないようなローカルな場所を選びました。

――3カ月でオープンとはスピード感のある展開ですね。苦労も多かったのでは?

苦労……実はあんまり感じてないんですよね。なんだかんだ協力者がたくさん現れて、かなりスムーズにオープンできた感じで。壁のペイントは地元のアート系の学生が無料で書いてくれたんですよ。「日本文化を体感する」というカフェのコンセプトに合わせて、イラストは桜をモチーフにしています。

――日差しがたっぷり入る明るい空間に仕上がっていますね。

そうですね。誰もが足を踏み入れやすいようなオープンな雰囲気にしたくて、インテリアはホワイトやベージュ、木目調などやさしい色味をメインで使いました。

――来年以降はどんな展開を考えていますか?

現在のカフェをセブ市内へ引っ越しする予定です。そして、カフェ事業をやや縮小して、出張撮影サービスを拡大させたいなと思っています。


photo by Kawaii cafe

――出張撮影サービスというのは?

セブの人たちは日本人以上にセルフィー大好きなんです。だから、カフェ以外の場所にフォトブースを設置して、衣装とプロカメラマンを用意し、その場で撮影できる出張撮影サービスは需要があるんです。さらに、撮影した写真を1冊のアルバムにするのもいいなと思っています。そのサービスをパッケージ化して、日本関係の企業にアプローチしていきたいですね。企業側にとっても、いい宣伝ツールになると思っています。

――最後に、松島さんの理想のライフプランを聞かせてください。

僕は「自分のアクションで誰かを笑顔にすること」、そして「旅」が自分の生きがいだと感じています。この先10年ぐらいかかるかもしれませんが、フィリピンだけじゃなくて日本文化を広める事業をアジア各国に広げていきたい。僕は毎月各国を転々としながら、経営するカフェを回って「最近どう?」ってスタッフにアドバイスしたりして。そんなふうに、僕のアクションで1人でも多くの人の笑顔を生み出していけたら幸せですね。

Kawaii CAFÉ:https://www.facebook.com/kawaiicafe.japanesecafe/

(取材・文:小林 香織)

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