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2017-06-08

タイニーハウスとは自分のど真ん中である
映画『simplife』上映@下北沢ケージ イベントレポート

SAHRE on


現在、アメリカ西海岸で広がりを見せる「タイニーハウス・ムーブメント」。そのムーブメントのパイオニアたちを訪ね、小さな暮らしや多様なライフスタイルといった、新しい幸せのカタチに迫ったドキュメンタリー映画『simplife』の上映イベントが、5月19日東京・下北沢ケージにて開催されました。

米西海岸で広がる「タイニーハウス」

タイニーハウスは「小さな家」の総称で、ツリーハウスやトレーラーハウスのみならず、基礎のあるタイプまで、様々なタイプが存在します。

今回の上映イベントは、これまでとは違った住まいのあり方や、街や人との関わり方を知り、考え、参加者一人ひとりが、より良い暮らしを見出していくことを目的に立ち上がった、空間社によるプロジェクト「negura project」の第一弾として開催されたものです。

会場では、『simplife』のプロデューサーであり、全国各地でツリーハウスやタイニーハウスを手がけている竹内友一さんが、実際に使っている、全国キャラバン中のタイニーハウスの展示も行われました。

ヘッドフォンを使った「サイレント映画上映」

今回の会場となった「下北沢ケージ」は、都市開発にともなって誕生した空き地を活用している場所です。

屋外という立地の中で、新しい音と映像の楽しみ方としてヘッドフォンを使った「サイレント映画上映」というスタイルにて、2つのスクリーンを設置して上映されました。

映画が始まる前には、本作のプロデューサーである竹内さんと、映像を手掛けたベン・マツナガさんが挨拶し、観客たちはヘッドフォンを装着し、屋外にも関わらず、静かに集中して映画本編を楽しみました。


ベン・マツナガさん


竹内友一さん

タイニーハウス・ムーブメントのきっかけ

映画の上映が終わったあとは竹内さんと、東京R不動産のディレクター林厚見さんによるトークセッションが行われました。

映画を観終わっての率直の感想を「根本的に、生き方を考え直すという話で、家ということだけでなく、概念なのだと思った」と、林さんは切り出します。

“タイニーハウスは、移動できるタイプの小さな家に限った話ではないのではないか?”との問いかけに竹内さんは「映画に出てきた彼らも、実際に移動できるタイプの人は少ない。旅行ジャーナリストをしているカップルは、色々なところで生活しているが、他の人は定住に近いんです。むしろ、移動性に関しては極めて薄い」と答えます。

竹内さんは続けて「アメリカで、タイニーハウス・ムーブメントがはじまったのは、Jay Shaferの『The Small House Book』という本がきっかけです。彼は、小さい家に住みたかったのですが、アメリカでは人権的な問題などから小さい家に住んではいけないと決められている州が多いんです。そこで、彼は基礎を持つ建築物ではなく、タイヤの上に乗った小さな暮らしを始めたわけです。元々は、移動性よりも、どうやって小さくしていくかの手段だったんです」と解説。

“タイニーハウスは手段なのではないか?”との質問には「例えば健康だったり、経済だったり、生活の質だったりと、何かを変えないといけないとなった時に、暮らしを考え本質に近づいた結果が、小さな暮らしになったわけです。映画にも出ていますが、ずっと続くかというわけでもなく、1年後にアパートに帰ったりする人もいます」と竹内さんは答えます。

「原理主義というわけではないのがホッとした。あくまでも、自分の考え方も変わって、生活も変わって、発見があって、自由になれるというプロセスなのだなと」(林さん)


林厚見さん

日本でも需要は高まっていく

空間的な話として林さんは、小さいことで、外つながることの意味が大きいのではないかと問いかけると、竹内さんも大きくうなずきます。

竹内さんは、決して地方に限らずに、サービスが充実している都会こそ、タイニーハウスの利点が活かせることもあると、その可能性の大きさを示し、「自分がどこで、誰と、どんな環境で“生きたい”というのが重要です」と、その本質を語ります。

日本におけるタイニーハウスの需要については「今後、高まっていくのではないか」と竹内さん。

「かつては1つの家に、三世代というのが珍しくありませんでした。しかし、今は大きい家でおばあちゃんが1人みたいなのも増えてきています。大きい家を使いこなせてない人が多いんです。アメリカも同じです。かつては住まいを大きくしていくのが、アメリカンドリームでした。ところが、今は活用しきれてない家が多いんです。だから、タイニーハウスカンファレンスというお祭りには、年齢層が高い人が多く来ます。ただ、年齢層の高い人はあんまり積極的に情報発信していないから、表に出てないだけなんですね。実際に日本でも、小さい家でいいという声は多いです。」(竹内さん)

自分のど真ん中を表現するのが“タイニーハウス”

最後に改めて“タイニーハウスとは何か?”と聞かれ、竹内さんは「自分由来の自由というか、他がどうとかではなく、自分のど真ん中を表現するのがタイニーハウス。小さな家に住みたいということだけでなく、その自由さ全てだと思います」と回答。それを聞き、林さんは「この映画から感じ取れることが、まさにタイニーハウスなのかもしれませんね」と大きくうなづきました。

最後に竹内さんは「今回の映画は、ナレーションも無く、余計な説明も無い。全て生の声で語ってもらっているので、その声で感じてもらえたらなと思います」と締めくくり、大きな拍手の中、トークイベントが終了しました。

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