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2018-05-10

沖縄・北谷町にあるカフェ&ホステル「AIEN COFFEE & HOSTEL」。店名の由来は「合縁奇縁」。

SAHRE on

沖縄のカフェでテラス席に座ると、海風に吹かれるような心地よさを感じながら、近隣住民の歩く姿をときおり見かけます。沖縄県北谷町の東シナ海沿いからほど近く、住宅街に囲まれた一角で沖縄出身の若者たちが運営するカフェ&ホステル「AIEN COFFEE & HOSTEL」があります。カフェを運営する店長のケイトさん、ホステルを運営するアサキさんの二人三脚から始まった「AIEN COFFEE & HOSTEL」のオープンしたキッカケや、おふたりの思いを伺ってきました。

人と人とが繫がる交流の場であり、スタッフの顔や思いが見えるカフェ

――カフェとホステルをひとつの建物で運営しようという構想は、いつ頃からあったのでしょうか。

ケイトさん:
大学時代の頃からですね。将来の夢を語り合うようによく幼馴染のアサキと話していて、僕がカフェを担当し、幼馴染の彼がゲストハウスを運営する。そんな構想を21歳の頃から話していたんです。その2年後、23歳の時に、東京で人気のカフェやゲストハウスを見学に行き、夢がどんどん膨らんでいきましたね。

――若さゆえのパワーですね。そのまま順調に準備を進めていったのでしょうか。

ケイトさん:
僕は、大学4年の時に結婚して子供もいたので、社会人になる前から家庭を持っていました。だから、逆に真剣になれたというか。自分の夢を守り、妻や子供も守る。自分のやりたいことを今やらないと、このままズルズルと時間だけが過ぎてしまう。自分と家族の将来を真剣に考えて真面目に働かなければ、今本気でやらなければと思い、幼馴染のアサキと「ふたりで絶対にやろう!」と決意して、そこからすぐに動き出しました。

――北谷町の住宅街でありながら海も近く、テラス席で潮風も感じられるようなリゾート感。観光客が沖縄に抱く憧れをギュッと凝縮したようなカフェですね。最初から北谷町の物件を探していたのでしょうか。

ケイトさん:
いえ、最初は那覇市内の物件を考えていました。3年近く物件を探し回ってその間にお金を貯めて。北谷町を選んだのは、物件探しが困難だったのも理由のひとつです。さまざまな方法を考えて、路面でカフェを営業し、そこから徒歩5分圏内でゲストハウスを営業するとか。

3年近く時間をかけて不動産屋を巡り、たまたま出会ったのがこの物件だったんですよ。打ちっ放しの壁や屋根の高さや敷地の広さまで、全てが自分たちの希望と好みに合っていて一目惚れでした。その翌日に物件を見に行って即決で仮予約して。2週間リザーブできたので、その間に周囲の人たちに声をかけて協力者を募り、やっていけそうな見込みが出てきたので、そのまま契約しました。

――物件を見つけてから契約までの流れがスピーディですね。

ケイトさん:
契約後、まずは資金が必要だったので、あちこちの銀行に相談に行きましたが、もちろん門前払いです。支払いできるかどうかも分からない若者に融資してくれる金融機関はなかなかないんですよね。そこで、建築設計士の中谷さんに力を借りて、資金調達の目処が立ってきたのでオープンに向けて動き出しました。

僕たちがお店を経営することになり、中谷さんが設計やデザインを担当。もともと自分の中にこんなカフェをやりたいってイメージがあって、細かい部分を言えばもっともっと多くの人たちの手がかかっていて、アドバイスをもらったり、作品を作ってもらったりと。

――稲嶺さん担当のカフェとアサキさん担当のホステル。このふたりの構想に多くの人たちが賛同してくれたんですね。

ケイトさん:
ゲストハウスだけでも上手くいくし、カフェだけでも運営できると思っていたけれど、一緒にふたりで共同経営したらもっと高みを目指せるんじゃないかと。料理担当のコウタも一緒に運営に関わることになり、2017年9月1日に「AIEN COFFEE & HOSTEL」をオープンしました。

バックパッカー時代に抱いた、人々が交流して行き交うホステルの構想

――アサキさんがホステルを担当されているそうですが、ご自身がバックパッカーで海外を旅していた頃から、ホステルの構想があったそうですね。

アサキさん:
もともと観光業に従事したいとの思いがあり、高校卒業後、千葉県にある大学の観光学部に入学しました。僕は旅行好きで、学生時代からバックパッカーとして旅をしていて、大学卒業後に旅の資金を貯めてから海外を周遊したんです。世界一周まではいかないけれど、世界各国の世界遺産や名所を観光し、約半年間かけて台湾からスペインまで15カ国以上巡りましたね。

海はやっぱり沖縄が一番きれいだと思ったし、海外を旅して沖縄の良さを改めて感じました。海外を旅している間、現地の人たちと交流した思い出が自分の中には強く印象に残っていて、人と人とが交流できるゲストハウスを運営してみたいと思い始めました。当時は、まだ沖縄にホステルが少なかったし、自分なりのイメージが膨らんでいきました。

――海外を旅した経験が今に生きているんですね。再び沖縄に戻り、ホステルを営業することになったと。

アサキさん:
海外を旅して少しずつ道が定まっていきました。帰国後、沖縄にUターンして那覇市内のホテルで宿泊業や接客サービスを学んだんです。自分の中でホステルを運営する準備が整っていった頃、ケイトから「北谷町にいい物件が見つかった」と連絡があり、そこからはあっという間のスピードでしたね。

――カフェとホステルの融合。宿泊者ならば、モーニングや夕食もできるカフェの存在は大きいですよね。

アサキさん:
朝食スペース用にカフェを設けているゲストハウスはあるけれど、カフェとゲストハウスを個々に両立して運営しているところは沖縄では少ないと思うんです。ホステルもカフェも同じくらいの規模で経営してお客様を呼び込んでいく。どちらかひとつだけでなく、カフェとホステルの存在がそれぞれで成立して、でもふたつが結びついて融合している。食事も宿泊場所も提供できるコミュニティスペースですね。

周囲の人たちの協力と応援もあり、動き出せた「AIEN COFFEE & HOSTEL」。「LA MARZOCCO(ラ・マルゾッコ)」のエスプレットマシーンで淹れるコーヒーが人気。彩り豊かなAIEN特製のタコライスには、エスプレッソを使った辛味を効かせたソースをトッピングしています。

AIENの名前の由来は、“互いに気心が合うかはすべて縁による”を意味する四字熟語の「合縁奇縁(あいえんきえん)」から取ったもの。「AI」には、出会い、愛、藍の意味が込められ、「EN」は、縁や円を表現し、店名を「AIEN」に決めた時、アイデアや発想が続々と生まれ、円や藍色で店内をディスプレイしています。

海の近いゲストハウスに宿泊して朝食や夕食を食べながらフリーWi-Fiや電源カフェも利用できる利便性や人と人とを繋げるコミュイティスペースを兼ねたカフェ&ホステルです。

AIEN COFFEE & HOSTEL
https://aien.okinawa/

(取材・文:miya-nee/みやねえ)

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