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2017-09-14

FIAT尽くしの車遍歴に迫る!
長年の恋が叶って手に入れた青色の「パンダ」

SAHRE on

カメラマン
菅 英也(スガ ヒデヤ)さん

FIAT PANDA(フィアット パンダ)1000 Si.e.
1991年式/モナコブルー
イタリアの名門FIATが1980年〜製造していた小型のハッチバック。「初代パンダ」と呼ばれ、そのコンパクトでシンプルなたたずまいに根強いファンを持つ人気車種。

学生時代からずっとFIATに心を奪われてきた

管さんの車遍歴はFIATにつきる。一回だけ、子どもが産まれた時、国産車に乗ったこともあったが、それ以外はずっとFIAT一辺倒だ。
百恵ちゃんが引退し、FIAT PANDAが出た1980年頃。当時学生だった管さんは、そのスタイルに心を奪われた。小さくてシンプルなかわいらしい車。それからずっと、FIATは管さんの心に焼きついて離れなかったそう。
「直線的なデザインが、なんというかそれまでにない感じでしたね。大きい車にはそれほどひかれず、小さめの車が好きでした。衝撃的だったんです。」

今しか乗れないと選んだ2シーターのFIAT

そんな管さんが社会人になって初めて乗ったのは、もちろんFIAT。でも、パンダではなかった。
「FIATには決めていたのですが、当時オープンの2シーターがあったんです。
X1/9(エックスワンナイン)という名前で、スーパーカーのようでかっこよかった。ひとりものの時期にしか乗れないかなと思って、衝動的に選んでしまいました(笑)。」
管さんの予想通り、2シーターとの別れはお子さんが産まれたタイミングでやってきた。
「一回だけ、国産車に浮気したんです(笑)。子どもも乗れて、なんか国産が安心のような気がして、マツダのデミオに乗っていました。快適ではあったのですが、特にワクワクするという感じはなくて、なんといいますか、移動する手段だったと思います。」

恋が叶ったような気持ちがした

パンダを買ったのは、それから3年くらい経った頃。何も問題がなかった国産車だったが、どこかで物足りなさを感じていた、そんな時だった。
「知り合いのガレージに、ほしい年式の赤いパンダが入ったと情報が入り、いてもたってもいられなくなってすぐに決めました。」
それが、今の管さんの愛車です。といいたいところなのだが、まだ遍歴は続く。
「本当は、青が一番ほしかった色だったんです(笑)。」照れくさそうに笑いながら説明してくれた。赤のパンダでウキウキしていたものの、やっぱり青いのがほしくなり、探し回ったそう。そして遂に、程度もよく、ほしい青のパンダが。その時のことを、「長い恋いがやっと叶ったような?変な言い方ですが、そう思いました。待たせてしまったというか、ちょっと心にくるものがありましたね」
学生の頃から、ずっと心を奪われてきた車が手に入る。それはどんな気持ちがするものなのだろう。愛おしそうにボディを触りながら話す様を見て、羨ましくなってしまった。

小さいけれど、デキル仕事の相棒

カメラマンの仕事は、機材も多い。不便なことはないのかとたずねたところ、
「ボディの小ささの割に、中は意外と狭くないんです。2ドアですが、前席のシートを倒せば、後ろとすぐにつながって、レンズ交換や機材の出し入れもしやすい。かなり使える、デキル相棒です。」
また、小ささが利点になることも多いそう。
「撮影で色々な街を訪れるのですが、狭い通りとかでも、これはスイスイ入っていける。場所を取らないので、駐車スペースにもあまり困らないんです。」
仕事の相棒としても、初恋の相手は十分のようだ。

自分が動かしている。その時間が好き

愛車で一番気に入っているのが「車を自分で動かして乗っている感じ」だと語ってくれた管さん。
「マニュアルで、パワステもなく、自分の力が直接車に伝わって動いているなって感じるところが好きです。もちろんパワーウインドウなんてついていませんから、ぐるぐる手動で窓の開閉もしますし、ウインカーの音も正しく車内に響く。そんなところがなんか安心します。」

そんな、自分で動かす感じは人生や仕事をする人にとって、結構大切なのかもしれないと、次の言葉を聞いて思ってしまった。
「自分の意思が車に届いている感じ。思い通りに行かないことは、人生でたくさんあるんですよね。人との関わり合いや、自分の弱さが原因だったりと。でも、この車にいる時間、僕は完全に自分の思ったように動かしている。その感覚を得るのは大切なんだと思っています。意思が伝わって応えてくれる。大げさかもしれないですが、ここにいる時間で自分を肯定するというか、そういった自信を取り戻している気がしています。」

他の車では、もうしっくりこないほどに

最後に、今後の買い換えの予定は?と質問してみた。
「今は、もう他の車に乗ろうとは思わないですね。新しいパンダもいいかなと思ったこともあったのですが、やっぱりこいつがいいですね。」と話してくれた。
実は、この愛車をガレージに預けていたことがあるという。
「独立したタイミングで、新しいタイプのパンダを購入したことがあるんです。この古いパンダの方は、所持はしていたのですが、ナンバーも外してガレージに預けていました。」
燃費や性能も一段上だった新しい車。でも違和感があったそう。
「なんていうんでしょう、しっくりこないんですよね。性能的には劣るんですけれど、愛着といいますか、つまり、居心地が違ったんです」
「しっくりこない」。
確かに、他のどんな車にもない、青いパンダとスガさんの繋がりのようなものが見える気がした。運転席に座り、懐かしそうに話す管さんとパンダは、長年連れ添った夫婦のようにお似合いだった。

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