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2017-10-19

1周年記念対談 遠山 正道
「ライフスタイルも事業も、リデザインするということ」
個人の思いに向き合う真摯が、クリエイティブでたくましい

SAHRE on

遠山 正道 とおやま・まさみち Masamichi Toyama
株式会社スマイルズ 代表取締役社長
1962 年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、85 年三菱商事株式会社入社。2000年株式会社スマイルズを設立、代表取締役社長に就任。
現在、「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイ専門店「giraffe」、セレクトリサイクルショップ「PASS THE BATON」、ファミリーレストラン「100 本のスプーン」、コンテンポラリーフード&リカー「PAVILION」、海苔弁専門店「刷毛じょうゆ 海苔弁山登り」を展開。「生活価値の拡充」を企業理念に掲げ、既成概念や業界の枠にとらわれず、現代の新しい生活の在り方を提案している。近著に『成功することを決めた』(新潮文庫)、『やりたいことをやるビジネスモデル-PASS THE BATON の軌跡』(弘文堂)がある。

田淵 淳也 たぶち・じゅんや Junya Tabuchi
「HowScope」の運営を行う、amidus 株式会社の代表をつとめる。

2年目のHowScopeが目指すのは、リデザインの「実現力」。だれしもが、いま、幸せを感じる。これまでのルールにとらわれないライフスタイルを提供したい。そんなサービスや事業を常に発揮していくのは、どんな組織なのか、ほんとうに大切にすべきことは何なのか。「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」をはじめ、数々の事業で「リデザイン」を実現する、株式会社スマイルズ・代表の遠山正道氏(以下敬称略)に、amidus株式会社代表の田淵淳也が聞いた。

始まりも、道中も。必要なのは「自分起点!」が遠山流

――田淵

スマイルズが手がけられている事業は、型にはまっていないというか、Soup Stock Tokyo、PASS THE BATONなど、発想がとにかく自由で、際立っていると感じています。そもそも、どのようにして事業は始まっていくのでしょうか?

――遠山

私は会社でよく「自分ごと」ということを口にしています。「世の中」の動きが今どうなっているかとかではなくて、まず「自分起点」なんです。自分がやりたいとか、やるべき、とかを芯にして、世の中に提案していく。そうやって始まった事業でないと、続かないように感じています。

ビジネスは大変で、思っていたとおりにいかないことも多く、「利益が出ないな・・・」など、何度も振り返る機会がある。そういう機会があればあるほど、そもそも「なぜやっているの?」とか、「誰が(やりたくて)やっているんだっけ?」などが根底にない限り続かない。というか、踏ん張れないんです。

だから、世の中のことはどうでもいい、とは言わないまでも、「世の中の動きがこうだから、こうしよう!」という話は、ほとんどウチ(スマイルズ)では通用しないというか、スタートに至らないです。「誰が、どうして始めるのか」という芯が重要ですね。

――田淵

確かにおっしゃるとおりですね。ビジネスでは、大変なことは何度もあって、その度に振り返る。そんな時に、世の中のせいにしてしまうと、何が成功で失敗なのか分からなくなってしまう。

――遠山

そうですよね。なぜそういう「自分ごと」を大切にしているかというと、私は昔、絵の個展をやっていたことがあって、その経験が起点になっているんです。アーティストはまず、自分が考えて何をやりたいのかを考えますよね?とはいえ、ひとりよがりだけではなくて自分なりの社会的な必然性があって、作品に投影されていくと思います。

個人の思いからスタートして、一人ではできないのでチームや会社になるのは必然。そのチームがきちんと自分たちのこととして、苦労も喜びも感じていることが、世の中に対しての誠実な態度かなという気がしています。

――田淵

そうやって事業を推し進めるなかで、最初のきっかけが個人の思いだった場合、周りの人たちをどう巻き込んでいくのでしょうか。理屈ではない部分が原動力になっているので、大変なことではないのですか? 感化していくといいますか。

――遠山

逆に、そういう時に個人の必然性のようなものであったり、意義のようなものがあったりした方が、自分自身にも納得感もあって、周りを巻き込みやすい。そう思っています。

――田淵

確かに言われてみるとそうですね。ロジック的なところでつながろうとすると、なぜその人となのか、そのチームなのかという必然性が生まれない。

遠山さんの事業は、ここまでのお話で納得するのですが、個人の思いがコアにあるからこそ、価値が縛られていない。オリジナリティがある。いわゆるマーケティングだけとか、企業の論理だけだと、経済性というものに主眼を置いてしまい、サービスが似通ってくる。やっぱり個人の思いがベースにあるから、PASS THE BATONのように一見は経済性が薄くても、モノの持つストーリーを届けるという価値が明確です。だからこそ、これからも事業としての踏ん張りが効いて、経済性も成長段階に変わっていくというような考えなんですね。

Soup Stock TokyoとPASS THE BATONの事業がはじまる時の違いというものはあるのですか?

――遠山

Soup Stock Tokyoはスタートにあたってコンセプトなどをはじめ、企画書にかなり書き込みました。一方でPASS THE BATONは、リーマンショックの後、世の中や自分たちの心理的な環境もあって、企画書にがっちりまとめることはしなかった。書くとみんなが同じ画を見て一丸になれる、という利点もあるのですが、一方では縛られてそこから抜けられなくなる。何かにぶつかったり、新しい風を感じた時、そういう度に自己否定をしなくてはいけない。コンセプトに合っていないと思ったときに、動きが制限されることなどを懸念したんです。直感的に、画を書かないで進めようと思ったんです。

いずれにしても、「自分起点」の描きかた、始めかたが違っただけで、自分ごとを大切にしています。

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