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2018-04-26

沖縄のアートと居心地の良さを提供するリノベーション空間「Arcade Resort Okinawa HOTEL & CAFE」

SAHRE on

沖縄市の街中に佇む昭和レトロな一番街というアーケードの商店街。その中にNPOコザまち社中が運営するカフェ&ゲストハウスがあります。インバウンド事業の一環として外国人観光客の受け入れを視野に入れ、商店街のコンシェルジュ的な役割を担う「Arcade Resort Okinawa HOTEL & CAFE(アーケードリゾートオキナワ ホテル アンド カフェ)」。若者らしいアートな空間と居心地の良さを提供するカフェとゲストハウスのリノベーション事例を紹介します。

アーケードのリゾートを表現したカフェ!自宅のような居心地の良さ

――「Arcade Resort Okinawa HOTEL & CAFE」はカフェとゲストハウスが混在する造りになっているのですね。

1階のカフェは、僕ら若手のスタッフが運営を任されていて、2階は団体専用ゲストハウス、3階が個室専用のゲストハウスです。

――1階のカフェは、木の造りとブロックの壁。コザのディープさをも取り入れながら居心地の良さを追求していると感じます。どのようなテーマでリノベーションしたのでしょうか。

アーケードでリゾートを楽しむようなリゾート仕様の造りと商店街の中のコンシェルジュ的な役割の意味合いもあるので、そこも意識した雰囲気づくりをしています。設計を依頼した会社に全体のデザインを任せて、自分たちはこんなものを作りたいと相談をしながら徐々に形になっていきました。

――沖縄のリゾートといえば、一般的にイメージされるは綺麗な海ですよね。

僕は、沖縄本島の西海岸沿いにある恩納村の出身なので、沖縄の綺麗な東シナ海を見慣れていて、一般的な沖縄リゾートのイメージとはまた違うテイストにしたかったんです。商店街のリゾート、つまり街中のリゾートって何だろうと考えたら、自宅のようにくつろげるリゾートもいいなと思い、スタッフ全員でアイデアを出し合いました。

――お手洗い入口の壁に人工芝を敷き詰めて、一部の壁はブロック。それそれの一部分だけ見るとバラバラの要素を持つ素材が、トータルで違和感なくマッチしています。

沖縄で言うチャンプルー(沖縄の方言でごちゃ混ぜの意味)なデザインですよね。人工芝とコンクリートの壁は、建築士さんのアイデアです。打ちっ放しの壁を白く塗ってコンクリートで塗装し、ブロックを積んだままの自然な味わいが出ています。人工芝の壁には理由があって、アーケードの商店街って屋根が邪魔して店内まで陽の光が入らない。観葉植物だと枯れる恐れがあり、人工芝で自然の緑を演出しています。

――木造りの静かな店内は、ホッとできる空間ですね。

濃いブラウンではなく、淡い色の木の材質を使って、木の色合いと質感にこだわりました。木の温かみを感じる内装にしたかったのです。あと、自分がいたら居心地のいい空間ってどんな場所だろうと考えて、個人的な趣味趣向も入っています。

――自分がいたら居心地のいい空間とは、どんなイメージだったのでしょうか。

例えばですが、広い一軒家であれば、3名掛けのゆったり座れる大きなソファや天井まで高さのある大きな本棚を置けますよね。でも僕の自宅の広さでは置けないので、自宅で再現しづらい居心地の良さを表現したというか。自宅でくつろぐ感覚と居心地のいい雰囲気をと考えました。

――全席で椅子とテーブルが異なり、レトロ風の照明ランプや雑貨がカフェの雰囲気づくりに一役買っていますね。アンティークやDIYの家具もあるのでしょうか。

テーブルと椅子は、ほぼ既製品です。一部だけアンティークの椅子があり、雑貨はスタッフの私物がほとんどです。既製品の本棚にヤスリをかけて、少し丸みとツヤを出すと家具にも優しさが出てくる。もともとあったものを活かして自分たちの目指す世界感を演出し、商店街の人たちにもお世話になりながら皆の手で作り上げたカフェです。

――もともと瀬戸物屋さんだったそうですが、当時のまま生かした部分はどこでしょうか。

入り口の扉と階段ですね。キッチンやカウンター、トイレなどは増設しました。カフェの席数は25席でフリー Wi-Fiを完備。基本、全席で電源を利用でき、席によっては上から電源コードを引っ張っています。18時で閉店しますが、事前に問い合わせをいただければレンタルスペースとしても貸し出し可能です。今日の音楽はジャズですけど、日ごとにスタッフの気分でさまざまなジャンルの曲をかけています。

――色鮮やかな盛り付けのビーガン料理が人気のようですね。

オープン当時はビーガン料理だけでスタートして、出張料理を振る舞う「ニュー夜明け」のメンバーが料理を担当しています。2018年に入って他の食事メニューも提供し始め、ピタパンを使う彩り豊かなイスラエルサンドは、沖縄だとまだまだ珍しいメニューかもしれませんね。


団体専用と個人専用のフロアー、宿泊客がくつろげるラウンジもあるゲストハウス

――2階が団体専用、3階が個室のゲストハウス。リノベーションで工夫した点はどこでしょうか。

もとのスペースを活かして収益性を高めていける方法で考えようと、当時の壁を活用した造りになっています。ドミトリーだとセキュリティの問題が絡んで運営的にやや難しい部分があったので、2階に団体専用ルームを、3階に個室を作りました。

スポーツコンベンション事業で海外から訪れる外国人アスリートたちや音楽の街コザに訪れる若手のバンドマンたちのグループが泊まれるような団体専用ルームとして、基本的には1部屋貸しで7人部屋の201号室と5人部屋の202号室を用意し、室内にトイレとシャワーを完備しているのが特徴のひとつです。

――団体部屋と個室があると、宿泊客の需要に合わせた使い方ができますね。3階の個室には和室もあるんですね。

3階の個室は、もとの持ち主が住居として利用していて、床の間や和室もそのまま活かした造りでリノベーションしています。女性専用と男性専用のスペースに分けて、男女別で共有のシャワーとトイレがあり、男女ともに各1部屋の和室を用意した全9ルームです。

――ゲストハウスの各部屋には、デザインのテーマがあるのでしょうか。

客室内にイラストを描き、各部屋の入口にもシーサーなどの沖縄らしい小さなイラストを施しています。アクセントカラーをベッド含めてブラウン系の色で統一。寝具は30cmほど厚みのある少し高価な質の良いマットレスを使い、寝心地を重視しています。全部屋ともにセミダブルのベッドなので、体格のいいアスリートでも利用しやすいと思います。

――2階のロビーラウンジは、宿泊者限定で利用できるコミュニティスペースですね。

ハンモックとソファを置き、床に直に座れる共有スペース。壁にプロジェクターを映せてWi-Fiが利用できるので会議用スペースとしても利用可能です。あと、このラウンジからガラス越しにアーケードの通路が見えますよね。でも見上げると電動の大きなシャッターの痕跡がわかるという面白い見え方もあります。老朽化して現在は未使用ですが、当時の面影が残る一部分ですね。「Arcade Resort Okinawa HOTEL & CAFE」は、そんな当時のままの雰囲気も楽しめる商店街のリゾート的な憩いの場所でありたいと、くつろげる場所づくりを目指しています。

沖縄市の一番街という商店街のコンシェルジュ的な存在として外国人観光客の受け入れを視野に入れて地域活性化を目指すカフェ&ゲストハウスの「Arcade Resort Okinawa HOTEL & CAFE」は、若者らしいアートな空間と居心地の良さを追求した沖縄の新たなスポットです。

(取材・文・撮影 遠藤 美弥子)

Arcade Resort Okinawa HOTEL & CAFE
https://ar-okinawa.com/

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