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2018-03-08

インテリアの参考は林芙美子さんの家。風と太陽がいつも側にあるアーバンライフ

SAHRE on

ビーズアクセサリーつくり手
ヤベマユミ

中野区の小さな駅。商店街で賑わう通りから数分進の住宅街に、ヤベマユミさんのアトリエ兼住居はある。沖縄に生まれ育ち、東京に生きるヤベさんにとって、太陽と風は故郷を感じる大切な要素。彼女の心地よい暮らしをうかがいました。

リビングの広さと窓の大きさに惹かれ

ヤベさんがこの家を選んだのは、一目惚れに近かったそう。前に住んでいた住宅がちょうど更新時期を迎え、いろいろな物件を見てまわっていた時、ここに出会った。一軒家の2階、急な外階段、広すぎるリビング、ちょっと予算オーバー・・・  図面や条件だけではそこまで心を動かされた訳ではなかったが、玄関を開けて中に入った途端、恋に落ちた。
「ここを内覧した時、『わあ〜っ!』って声を出してしまったんです。広くて窓が大きいリビングの開放感が気持ちよくて、窓際まで走って外を眺めてうれしくなりました。主人はその様子を見て、『あ、もうここに決めなきゃいけないんだな』と悟ったそうです(笑)。」
とにかく、空間が広くヌケがよくて、内覧した夕方でも灯りをつけなくてもよいくらいだったと語るヤベさん。
元々、画家がアトリエとして使用していた物件。北側に大きく窓を設け、一日中安定した北からの光を取り込むのは画家ならではのつくりなのだとか。
「そんなに強くなくてやさしい陽の光がずっと入ってくるんです。風も心地よく通って、家にいる時間が楽しくて、前よりも家事したり仕事をしたりするのが楽しくなりました。」


少しずつ買い集めていた家具や絵画をのびのび飾れるのもうれしいそう

人が集う場所、リビングへの想い

北海道出身のご主人と、沖縄の離島出身のヤベさん。田舎出身のふたりは、家族が集う「リビング」という空間に、特別な意識を持っていた。
「田舎って居間にみんな集まるんです。テレビを観たり、本を読んだり、ただぼぉっとしたりして。主人の田舎では寒い時は特にそうだったようです。その感覚があって、部屋数は少なくてもリビングが広くて快適なら、あとはどうでもいいかなっていうのが、ふたりの共通認識でした。」
その言葉通り、今ではふたりとも仕事をリビングで行い、なにかとここに集う時間が多く、その分、書斎はほぼ物置と化しているのだとか。
「以前はお互いに書斎にこもっていることが多かったんです。ちょっとぴりぴりしながら。でも、広い空間でのびのびと仕事しているせいなのか、なんだか仲良くなったような(笑)。空間って大事なんだなあって思います。」


床にはペンキや絵の具跡が残り、それも好きだとヤベさんは語る

仕事も助けてくれる空間

デザインや選ぶパーツのことで悩む時もあるヤベさんの仕事。けれど、このお家の開放的な雰囲気に助けられることもあるそう。
「ベランダに出たり、明るい空間で珈琲を飲んでいると、ふっとアイデアがまとまることがあります。前向きなるというか、思考が停滞しないというか。」

広さと明るさは、住む人にとってプラスに作用すると思う。ここにいると、なぜか落ち着く感じがして、時間が経つのをあまり気にしなくなっている自分に気がつく。

「アクセサリーは細かいパーツが多くて、なるべく明るい場所で作業をしたいんです。だから、一番日当たりがよくて、使いやすい場所を私の仕事スペースにしています。材料や工具を詰め込んだ棚をリビングに置いても圧迫感がないので、とっても満足してます。」
と、アトリエとしてもかなり重宝している様子がうかがえた。


一つひとつ丁寧につくられるヤベさんのアクセサリ−たち


リビングの側に置かれた棚にはアクセサリーのパーツがびっしり

少しずつ手を加えられる楽しさ

広さと窓への絶賛を話してくれたヤベさんに、他に気に入っている点も聞いてみた。
「割と自由に手を加えてOKなところがうれしいですね。ドアもペンキで塗り、棚をつけたり、書斎の壁に珪藻土を盛ったりして自分たちの気に入るように少しずつカスタマイズしていける感じが好きです。あとは、作り付けの棚が充実しているところですね。あらゆるところに壁と一体となった棚があって、” 見せる収納”ができておもしろいです」

ヤベさんのインスピレーションで選んだこの家。ご主人が特に気に入っているところもあるのだとか。
「主人が好きなのは天井の高さとトイレの広さ。窮屈な感じがしなくて、辛いこととかあっても耐えられるんですって。(笑)おかしいですよね? 」


作り付けの棚にはスパイスや自家製の梅酒などが並ぶ


ご主人お気に入りのトイレは明るさと広さが気持ちのいい場所だった

街の賑やかさと住宅地の静かさがちょうどいい

電車が通る音がちょっと苦手で、駅から近い場所はあきらめていたというヤベさん。でも、ここは違ったそう。確かに、駅から5分ほどの立地なのに驚くほど静かな場所だと感じる。
更に、商店街がいくつもあって、家への道が賑やかなのも好きだそう。
「小さな飲み屋さんもあるので、ついつい寄ってしまうんです。ここに越してから呑みにいく機会も増えちゃいました(笑)。」
高い建物も少なく、肉屋、魚屋、八百屋といった元気なお店が賑わう。夜には赤提灯が灯る店が何軒もあり、ワクワクする通りがいくつもある。対比のように住宅街は穏やかでオンとオフがしっかり区切られている礼儀正しい街の印象を受けた。

きっと、この先もこの家が基準になっていく

理想とする住まいの形はあるのかと、楽しそうに話すヤベさんに聞いてみた。
「作家の林芙美子(はやしふみこ)さん宅を見学した時、風が心地よく通り抜けて、太陽の光がやさしく注いでいる住宅はなんて素敵なんだろうと思ったんです。このふたつがあれば、色々うまくいくようなイメージをその時持ちました。それがやっと叶ったなって思っているんです。だから、今はこの家が理想です。」
と教えてくれた。大好きな家だけれど、マイナスなことは?との質問に対して次のように話してくれた。
「窓が多くてちょっと古い物件なので冬が寒かったです!隙間風も入って来て、暖房費が前の家の倍以上になったときはびっくりしました。でも、この家が好きです、とっても。次にどこか住むことになっても、この家が基準になることは間違いないと思うんです。それくらい好きな家に出会えました。この冬に向けて隙間対策もするんで、冬だって快適になるはず(笑)。過ごす時間が増える分、ここを好きになる。そんな予感がします。」
「私はすぐ近くに海や緑が多くある沖縄で育ったので、太陽と風が側にいないと落ち着かないんです。」そう語ってくれたヤベさんは、太陽のように明るい笑顔の人だ。
夫婦共に田舎があり、いつまで東京で暮らしているかはわからないそう。だとしても、心地よく太陽と風が側にあるこの家のような、そんな彼女の理想とする場所は、どこへいっても笑顔で引きつけていく気がした。


時折、風が心地よく通り抜けていく

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