kinka04
2017-08-30

地方で起こりがち?”孤”育てを防ぐ!クリエイターと子どものDIY空間

SAHRE on


・かこむいえkinka
野村 優(カメラマン)
安江 怜史(設計士)
篠田 花子(ライター)

共通点は、子どもが同じ年。ただそれだけ。岐阜県岐阜市にあるレトロ民家を改装して、“人の集まる場所をつくろう”として始まったプロジェクト「かこむいえkinka」。地方都市の住宅街に建つ築50年ほどの2階建ての空き家が、再び息を吹き返しつつある。今回は発起人の3名、野村氏、安江氏、篠田氏にインタビューして、このプロジェクトの背景やビジョンについて聞いてみた。

「集れる場所、ほしいね」「作ろうか」

――まず「かこむいえkinka」が始動した経緯を教えてください。

安江怜史氏(以下安江 敬称略):ちょうど僕と野村さんはフリーランスで独立した頃に出会ってるんですが、ふたりで「シェアオフィスほしいよね」と話していたときに、友人の花ちゃんが「お父さんの持ち家が空き家だから使えるよ。でもずいぶんボロ屋だけど…」という話になって。3人で見に行ったら、直したら使えそうだし、いいじゃん!と話が盛り上がったのがキッカケですね。

野村優氏(以下野村 敬称略):僕は宣材写真の撮影のほかに、写真に興味をもつ人や商売で写真が必要な人向けに「カメラ講座」をやっているんですが、場所があれば人も集めやすいし、スタジオとしても使いたいなと。実際見に行ってみたら、しばらく空き家だったから雨漏りもあったし、暗いし、昭和レトロ感たっぷりでしたが、それで逆に燃えたというか(笑)。直せば使えそうだし、そもそも自由にDIYできる場所なんて面白い、と。大人も子どももみんな集めて、一緒に作ったら楽しそうやんか!! と一気に構想が膨らんだ感じです。

安江:僕は仕事柄リノベも手がけていますが、実際現場で手を動かすのは職人さん。作るプロじゃないですが、青写真は描ける。期限もなければ予算もない状態だけど、だからこそ色んな人を巻き込みながらやったら楽しい空間ができるんじゃないかなと思ってはじめました。


改装前のkinkaにて計画中。和室の2部屋の床にベニアを張り、繊維壁を削って塗装した

東京とは違ったコミュニティの作り方が鍵

――“みんなで”というのがポイントみたいですね?

野村:そうですね。友人知人巻き込んで。友人で実際プロの大工に手伝ってもらいながら、ワークショップ形式で作り方を教わったり。ペンキを塗るにも、この3人だけで仕上げるのではなくて、子どもや大人を集めてペンキ塗りをイベント化してやりました。みんなでやれば楽しいし、家を作る過程に関わってもらうことで、その後も足を運んでもらいやすいかなという理由があります。

安江:実際、壁のペンキを塗るチャンスなんてそうそうないですからね。集まった人には、けっこう楽しんでやってもらえたんじゃないでしょうか。3歳の子どもが顔にペンキつけながら一生懸命塗る姿、かわいかったですよ。僕たち3人とも子どもが同じ年で、子どもたちにDIYの経験させてあげたいよねってのもありました。

篠田花子氏(以下篠田 敬称略):以前東京に住んでいたことがあるんですが、岐阜のような中規模都市って、意外と近所が身近じゃないんですよね。実家が近くにあったり、高齢者が多かったりで、若い子育て世帯は自力で繋がりをつくっていかなきゃ“孤”育てになりがち。その点、東京の方が子育て世帯のコミュニティが発達している気がします。人の賑わう商店街があったり、保育系サービスも充実しているし。だからこそ、岐阜のような地方でも“ここに来たらみんなで子育てできるよ、気楽に居られて遊べるよ”という場所がほしいなと思ったんです。強制感なく、自然に、気楽に。そこがポイントです(笑)。


2階の壁塗りワークショップに多くの友人知人が参加。幼児や小学生たちも楽しんだ

子育て×仕事×人のつながりが共存するスペースに

――これから“かこむいえkinka”はどんな場所になっていくんですか?

野村:僕たちの活動をFacebookで知ってくれて、木材業者さんが階段を提供してくれたり(これもワークショップとして自分たちで階段を掛けた)、廃材屋さんから家具をいただいたり、奈良県からリノベを手伝いに来てくれる友人がいたり……。こんな感じで、この場所に関わってくれる人がもっと増えてほしいなと。それに、僕たちにリノベーションの依頼をくれる方も出始めました。リノベの腕と知識はどんどん蓄積されていますからね(笑)。

安江:DIYに絡んだワークショップ依頼も時々きます。今時期だとちょうど親子対象にツリーをつくるワークショップを開催しています。インパクトを持って木材に穴を開ける子どもたち、目が輝いてますよ。

篠田:うちの娘は、目の前で階段をつくる大工さんの姿を羨望の眼差しで見つめてました。DIYを子どもと一緒にやる良さってここにあると思うんですよね。モノが人の手で作られていることを知る、そういう場所にkinkaがなれたらなと。

安江:この秋にやっと2階が完成して、いま1階の改装中です。野村さんはすでにこの場所でカメラ講座を開催していますが、もっと色んな人にもレンタルスペースとして活用してもらえたらなと。使ってくれる人が増えれば、人も自然と集まるだろうし、使う人がいれば家も生き返ります。

篠田:数年先、私たちの子どもが小学校になったら保育園より早く帰宅することになる。そうなったとき、学童代わりにこの場所で子守りしながら仕事するようなスペースにもなったらな、とも思っています。それまでには作り終えないと(笑)。いや、ずっと作り続けるのかも?


写真右にあるのが、親子で実際に工具をもって穴を開け、水糸を編んでつくるツリー

最後に、かこむいえkinkaのコンセプトを紹介して終わりたい。

「かこめ かこめ みんなで手をつないで遊ぶことが、こころの礎になっていく。子どもたちをかこむ。面白いことをみんなでかこむ。子ども、若者、親、お年寄り、キンカをみんなのたまり場にしよう、という思いを込めて。」

岐阜県に遊びにいくことがあれば、かこむいえkinkaの人たちに会いに行ってみよう。


「岐阜でまってまーす!」(左から、安江氏、篠田氏、野村氏)

かこむいえkinka 岐阜県岐阜市金華町2-10
HP:http://www.kakomuie-kinka.com/
FB:https://www.facebook.com/kakomuiekinka/

photograph:野村優 https://www.facebook.com/yu.nomura.92


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