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2016-10-07

本当に建て替えで大丈夫?
― 全面リフォーム・リノベ or 建て替え ―

SAHRE on


住まいにも寿命があります。年を重ね、ある程度古くなってくると、住まい全体を工事する必要性を感じるようになってくるもの。そこで、建て替えをし、新たに一から住まいを作り出すという選択もできれば、全面リフォームをし、今ある住まいに手を加え、生まれ変わらせるという選択も可能です。
(※本記事では、リノベーションも含めて「全面リフォーム」として説明しています。)

今では全面リフォームでも、新築に引けを取らない仕上がりの工事ができるようになりました。
建て替えと、全面リフォーム。どちらかを選ぶとなったら、決め手となるのは何でしょう?



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碧山さん
シビアな言い方になってしまいますが、まずは予算なんです。建て替えにはある程度以上の費用が必要なので、悩むことができる人は限られてしまいます。

イエコ
予算あっての建て替えかぁ~。じゃあ私は悩む必要ないかも。

さらに碧山さんは、それぞれの特徴や、判断のポイントについても教えてくれました。

「例えば、2階建てのご自宅を建て替えするとしたら、今は1000万円では現実的に厳しいですね。1500~1800万円ぐらいの予算があって、初めて迷うことができるのかなと思います」と、碧山さんは説明を続けます。建て替えには一定以上の費用が必要となるため、まずその予算を確保できるかが重要になりそうです。

それに比べてリフォーム・リノベの場合、予算を考慮したうえで、工事規模を決めることも可能です。例えば、柱や梁などの躯体がそのまま使えるようであれば、内装工事のみで比較的安く済ませるという手もあります。もし、躯体が劣化している場合は、部分的に補強工事を行ったり、新しく作り替えることもでき、その際の費用は規模に応じて相対的に大きくなります。

イエコ
予算は限られているから、優先順位をしっかりつけることが大切だね!
アイコ
浮いたお金をインテリアに使うのもいいかもしれないわね。
ルミコ
実は、一概に全面工事の方が安くなるとは言えないんだけどね・・・。

建て替えと全面リフォームの費用に差を生む、大きな要素の一つが、基礎工事。
基本的には、基礎の補強工事だけで済む場合が多いです。しかし、新耐震設計基準(1981年6月)より以前に建てられた住まいだと、基礎を全てやり替えた方が良いケースもあります。あるいは、地盤沈下により基礎が沈んでおり、地盤改良などの大がかり工事が必要になってしまうことも。それらの場合は、建て替えと変わらない金額になってしまったり、時にはそれより高くなってしまうこともあります。(基礎工事以外にも、各所で大がかりな工事が必要な場合も同様です。)

イエコ
地盤沈下とか考えたことなかった・・・。
ルミコ
自治体でも耐震性能を診断してくれるところもあるみたいだから、心配な人は利用してみるのもいいかも。

「全面リフォーム」「建て替え」の特徴(HowScope編集部による)

全面リフォーム 建て替え
費用 ★★☆ ★★★
工期 ★★☆ ★★★
自由度 ★★☆ ★★★
変える箇所 ★★☆ ★★★
性能 ★★★ ★★★
築年数 築年数+ 新築

費用面の話題が先行しましたが、碧山さんは「全面リフォーム」or「建て替え」を選択する上で、その他にも3つのポイントを挙げてくれました。

碧山さん
1. しっかりとした躯体構造
2. 住まいへの思い入れ
3.法律による規制
迷っているときの判断基準としては、これら3つが考えられますね。

1つ目は、建物が将来も維持できるような構造を持っているか。
老朽化などで躯体の傷みが激しく、補強が困難な場合には建て替えを推奨するケースが多くなるそうです。

2つ目は、今の住まいにどれだけ思い入れがあるか。
現状の住まいの姿や、雰囲気への愛着が大きいのなら、その箇所を残すことができるのか、それとも諦めて解体するのかを検討する必要があります。

最後に、建て替えるにあたり、法律などによる規制はどのようなものがあるか。
今の住まいが建てられた後に、法改正などで新たな規制ができている場合があります。その場合、現在建っている条件や基準で新築することができなくなり、建築面積が狭くなるなど条件が悪くなってしまうことがあります。

例えば、今の法律では、接している道路の幅が4m未満の土地では、建物は道路の中心線から2m以上離れたところに建てなければ違法です。道路ギリギリにあった建物は、建て替えると床面積は小さくなってしまいます。そのままの広さを維持したいのであれば、全面リフォームという選択肢が有効になります。

イエコ
一戸建てって、いろいろ検討することが多くて大変そう。

全面リフォームで住まいの寿命を延ばすのか、建て替えをして新しい住まいで暮らすのか。将来の生活設計を踏まえて、長期的な視点で検討したいところです。それには、住まいの現在の状態を把握してみないことには、いずれにせよ話は進みません。心配な人は、まずプロや自治体などに相談してみるのが良いでしょう。

碧山さん
漠然と不安に思っておられる方は、タイミングがなくて、意外にそのまま住み続けているケースもあります。水回りの設備が壊れたりして、危急の不安をきっかけに、全面リフォームなどを考えられる方は多いようです。

【イエコのまとめ】

●建て替えにはある程度以上の費用が必要で、全面リフォームの費用は規模や内容による。

●建物の基礎や地盤が不安な場合は、建て替えも検討すべき。

●現行の法律のもとでは、建設当時と同じ条件下での建て替えが難しい建物もある。

イエコ
考えなきゃいけないこと多すぎない?リフォーム・リノベってもっと楽しくて、間取りとかインテリア考えればいいって思ってたのにー!難しいー!!!!
ルミコ
確かに大変かもしれないけど、後々影響してくるからしっかり考えようね!

〔講師プロフィール〕

碧山 美樹/2005年に碧山建築設計室を設立。自身の子育ての経験を生かして、家族の変化に対応できる空間を提案している。一級建築士。中央工学校非常勤講師。
プラスエム・アーキテクツ

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