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2017-04-21

「壁紙を変える」というきっかけ
インテリアコーディネーターという仕事(2)

SAHRE on



住まいをもっと快適な空間にするお手伝いをする「インテリアコーディネーター」。その存在を知ってはいても、依頼するとなると「敷居が高そう」と遠慮してしまいそうですが、実際はどうなのでしょうか? 私たちの暮らしにとって、遠い存在のようで意外に身近である、インテリアコーディネートの魅力をHowScope編集部が探っていきます。

前回に引き続き、「suzukuri(すずくり)」の鈴木君枝さんの仕事現場に密着させていただきました。インテリアコーディネートを依頼されたお客様であるKさんのご自宅で、鈴木さんがプランを提案。お部屋も実際に拝見することになりました。

Kさん:「もう寝るだけの部屋なんです。朝起きて、お化粧をしたら、たまに着替えに来るだけ。最初に配置してしまってから、あまり手を掛けていなくて…」

遠慮がちにKさんは、1階にある自身の寝室を案内してくれました。

6畳ほどの部屋は、入ってすぐところに衣服を入れる家具が置いてあり、圧迫感が少しあります。奥には、家を建てた時に慌てて買ったベッド。鏡台の後ろのカーテンは閉められています。

Kさん:「鈴木さんは、シェードに変えた方がいいとおっしゃるんです。確かに私は、ほとんどカーテンの開け閉めをしないんです。“開かずのカーテン”ですよね」
鈴木さん:「家具にカーテンが重なってしまっていますし、綺麗に窓枠の中におさまるシェードの方が余計な溜まりができなくてスッキリするかなと」

Kさん:「この柄も悪くないけど、たっぷり模様が入っているのも素敵ね。ちょっと洋風すぎるかな?」
鈴木さん:「模様柄と、シャープなラインを組み合わされた方が調和されるのではないでしょうか。この雰囲気の場合、両方とも柄だと、落ち着かない感じがしますので」
Kさん:「そうしようかな。でも、柱とは合わなくない? ちょっとゴージャスになるかも」
鈴木さん:「ベースの色が少し合わないですね。これもシンプルでキレイなんですけどね」
Kさん:「でも、この柄が見ていてしっくりくるように感じます。これにしましょう」

と、ベッドの配置や掛ける絵とのバランスも考えて慎重に検証を重ねていきます。

続いて、家具の木材を選んだり、Kさんがテレビを見る位置を確認したり、きめ細かい打ち合わせが進んでいきます。

話は、Kさんが鈴木さんに今回の仕事を依頼した理由へと移りました。元々お二人は知り合いなのですが、Kさんは「インテリアコーディネーターとしての鈴木さんの顔は知らない」ということです。

「今回の提案を聞いてきて、キャリアも積んでおられるし、安心感がありますね。でも、パーソナルなお仕事なので、お客さんとの相性があると思うんですよ。知人というだけでは、頼んでなかったと思うんです。」と、Kさんは意外な本音を漏らしました。

「サイトやブログなんかを見ていると、その人の好きなことも見えてきます。もちろん鈴木さんはプロだから、その時のお客さんに合わせて仕事をすると思いますけど。好みやテイストが、何となく私と同じ感じだと思って」

一番のきっかけは、鈴木さんのブログに掲載された写真とのこと。壁紙をアクセントクロスとして施工写真のインパクトが大きく、Kさんはそれ以来、自分の部屋の壁を意識しはじめたそうです。

鈴木さんは「壁紙からインテリアや模様替えに興味を持たれる方は多いですね。壁紙を見ると、皆さんテンションが上がるんですよ。特に女性は、洋服の布地を選ぶ時みたいにワクワクしますね」と語ります。

壁紙を選ぶような小さなきっかけが、インテリアコーディネーターとの出会いにつながり、快適な住空間づくりへと結びつく。そんなケースも多いようです。

では、鈴木さんは依頼主の好みをどうやって見極めているのでしょうか?

鈴木さん:「ご依頼される方によってさまざまですが、今回は、Kさんの洋服やストールやアクセサリーなどの持ち物を見て、お部屋とのバランスや変えたい内容を考慮し、好みの雰囲気を想定してアイテムを選んでいきました。着ている服やブランドは、その人がどういう雰囲気のものがお好きなのかが一番わかりやすいです。ご自宅に伺ってみると、全然違うという方も、時々いらっしゃいますけどね」
Kさん:「私はもうドンピシャでしたね」
鈴木さん:「お部屋では、まず色味と配置を見ますね。今回は、入口すぐの背の高い家具が気になっていて、それを移動してもいいという話になって」
Kさん「あれがネックになってたんだけど、寝るだけの部屋だから、どうでもいいかなと思っていたの。今度からまた違う気分で過ごせるから、良かったです」
鈴木さん:「Kさんがお部屋にいて、うれしいなとか、心地いいなとか、感じていただけたら嬉しいですね」
Kさん:「たぶん、鈴木さんのお仕事って、お客様が『この人だったら任せてもいいかな』という気持ちになれば、うまくいくんでしょうね。お客さんは最初は迷うことも多いけど、ある程度話しているうちに『お任せします』って納得すると思うんですよね」

最後にそう語ったKさん。家具の引き出しのサイズなどの細かい部分は別として、ほぼプランは決定した模様です。最も時間がかかるオーダー家具の製作期間は4~5週間。新しい寝室で、Kさんはどんな気分で朝を迎えるのでしょうか。

次回はいよいよ、新しくなったKさんのお部屋に伺います。

プロフィール

鈴木アラブギャリ君枝/インテリアコンサルタント・住空間収納プランナー。インテリア業界で約20年の経験を積み、ロイズアンティークスやワイス・ワイスでインテリアコーディネーターとして顧客と接してきた。インテリア・収納の双方の視点で快適な住まいづくりをサポートしようと、2012年に住空間収納プランナーとして「suzukuri」(プロページにリンクを飛ばす)を起業。
suzukuri http://www.suzukuri-k.com/

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