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2016-12-14

meet up event vol.1 
住まいの「常識」を、一緒に変えていきたい

SAHRE on

開催日時:2016年9月28日(WED)14:30〜16:50
会場:CLASKA Studio A

初めての開催となったHowScopeの「meet up event」には、設計事務所の建築家や、ハウスメーカーや部材メーカーの担当者をはじめ、企業の広報担当者やメディア関係者も参加。計2回のセッションが行われ、住まいにまつわるプロフェッショナル(以下「プロ」という。)がそれぞれの立場から、業界の動向や課題、将来像などについて語り合った。

プロからお客様へ、ぜひ伝えておきたいこと

プロにとって大きな悩みの一つが、一般のコンシューマーとの接点。知人の紹介やメディアの活用が多いものの、仕事へとスムーズにつながる手段を常に模索している。なかなか接点を持てないコンシューマーに対する本音などを聞いた。

――プロからお客様(住まい手)に知ってほしいことは?

・業者を選択する第一のポイントは、どうしても見積金額になってしまっている。
ほとんどは何社か相見積をとられて。本当は中身の説明もしたいのだけど、そこまで行けないことが多い。

・50代のお客様は、自分の経験値で、こういう間取りにしたいなどの要望が決まっている。30代や40代は、迷う時期でもあるのか、当然ながら失敗したくないというのがあって。
工事が一回きりという考え方がすごく根付いていて、年代によって新しく変えていくという考えには至らない。そういうところまで、うまく最適化ができれば。

・住宅や建築関係は、基本的にクレーム産業というのは確か。
打ち合わせの途中でお客様がこれでいいとおっしゃていても、引き渡しが終わるとクレームが出てくることはある。事業者としては、お客様との相性というのも、仕事を受けるうえでは結構意識している。おうちを一緒にうまく作れそうだなというお客様とは、積極的に仕事を受けてやっていきたいという気持ちがある。

・その人の暮らしにどういうものがフィットするのかを提案するのが、建築家の本来の役割。
限られた予算の中で、凝りたい部分にうまく配分できるように、逆に他の部分を絞っていくこともできると伝えていきたい。

住まいの「常識」を、一緒に変えていきたい

コンシューマーが理想の住まいを手に入れ、プロもその仕事に満足できるような、Win-Winの関係を築くために必要なものとは何か。

――業界として現在抱えている課題などを教えてください。

・不動産を探すときに、最初に何LDKと広さで検索して、出てきた物件から何にしようかと迷っている。その仕組み自体が、まず間違っているような気がする。

・リノベーションで特徴的なのは、予算と、もう一つはスケジュール。
ローンのスケジュールがタイトなものが多い。決済が下りるまでに1カ月ぐらいしかなく、その間にプランニングをある程度終えて予算を確定しないと、致命的になる。

・日本の住宅が画一的になった理由の一つは、賃貸住宅。
リノベーションできる賃貸物件ってほとんどない。だから、出ていくときにキレイにしていくつもりで、家具や雑貨は決まった写真の中から選んで住む。そこのところを、ちょっとでも直せますというリノベ可能な物件も少しずつ出てきた。「家って、直して住んでもアリなんだ」というコンセンサスが、消費者にも広がっていけば面白いと思う。

・リノベーション業界は新しくできた分野で、新築ともリフォームとも違うという意識がある。
我々のやっていることが他のジャンルとは違うんだという感じで、狭いコミュニティーになっている感もなくはない。ユーザーにとっては、リノベーションはいろんな選択肢の一つという感覚なのだから、そこは分け隔てる必要もない。

・昔のブラウン管テレビが薄型テレビになって、一気にリビングの形が変わった。
今後はさらに、テレビの形がボードでなくなる。そういうことも我々は考えなくてはいけないけど、こうあるべきじゃないかという予想論で完結してしまうことが多い。もっとエンドユーザーに問い掛けていくことは有効だと思う。

「住む」という価値観も変わっていく

ディスカッションでは、人々の意識や社会の変化に対して、プロ自身も敏感に読み取って対応していかなければならないことも確認しあった。

――人口が減少し、住宅のストックも過多になるとされる未来。どのような展望を持っていますか?

・住まい手の価値観が、どういう生活をするために家を買うのではなく、商品を買うという意識になっている。
そうすると自然材なんてものは使えなくなる。傷があるとダメなので、作り手側もクレームレスなものにしてしまう。その辺りの価値観も、東日本大震災以降はライフスタイルを見直す人がいたりして、変化しつつあるのかなと思う。業界もがらりと変わるのではと期待している。

・シェアリングエコノミーと言われていて、20代の人だと極端な話、家も全部シェアでいいなんていう人もいる。
つまり、不動産が動産になる。そういう人たちが30代や40代になったときに、今の住まい手と全然違う発想にどうやって我々は向き合っていかなければならないのかなと考えている。

・ものづくりの現場が変わりつつある。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)で、工場で作った部品を、熟練工でない人たちが現場で組み立てられることができ、有名な建築物でも導入されている。現場の大工さんは、組立工と呼ばれるようになったり。図面がプレカット図になり、インテリアの図面もできる。新しい技術や手法に対応していくのは、我々自身の課題でもある。

・最近の30代や40代前半の人たちは、マンションを買うときに、そこを終(つい)のすみ家とは思っていない。
その年代のライフスタイルで、快適な暮らしをその場所でしようと考えている。これから新しく建てることは減ったとしても、人生の中で家を新しくすることが3、4回はあることになるかもしれない。住み替えることの面白さを発信していくことができれば。

meet up eventの初回と第2回は、プロフェッショナルからの積極的な提案などもあり、初めての試みでありながら予想以上の盛り上がりを見せた。終了後は、異業種の参加者が意見を交わす光景も。プロとプロの交流やマッチングも重要であることを再確認させられた。

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